黄緑 1 ページ45
克樹が覚醒した。
いままで、どこか迷いがあるような雰囲気があった。
日本でも有数の大学のしかも理系の院に通っていて、加えて何をしても大抵こなすハイスペック。
望めばどんな企業にだって入れると思う。
「あの大学行っててどうしてアイドルの道選んでるの？」
きっと何百回と聞かれてきた筈だ。
今迄勉強してきた事への誇りもあると思う。
でも今はそんな事の未練を全て断ち切った様に見える。
アイドルとしての「本�盥郤�」が覚醒したように輝いてる。
キラキラと言うよりはギラギラと。
強い光を放ちながら。
理由は、たぶん、あれ。
俺に、振られた、から。
克樹が変わる前。
練習や撮影帰り、いつもの帰り道。
俺たちは気まぐれにキスをしていた。
もちろん、気まぐれなのは俺。克樹じゃない。
「じゃあな」
手を振る間際、うるうるとした目で見つめてくる克樹に、キスをしたりしなかったり。
軽く唇を合わせるだけの時もあれば、舌を絡め合う時もあった。
大抵は「もっと‥」というような顔をしてなかなか離れたがらない克樹に、
「今日は終わり」と、ワザと冷たい声を出して手を振った。
そして俺は部屋に帰って、克樹の唇の感触を思い出した。
キスを許さなかった日は、俺に触れて欲しそうに黒く濡らした克樹の瞳を思い返して、
満ち足りた気持ちで眠りについた。
それが、いつの頃からか繰り返していた俺と克樹の秘密だった。
愛しい人。
克樹の事を想うと胸が甘く高鳴った。
このまま克樹をさらって二人だけの世界へ行ってしまいたい。
どれだけそう願っただろう。
でも俺たちには目指す場所がある。
それに俺には責任がある。
誰に言われた訳でもないけど勝手にそう思ってる。
みんなを、あの場所に連れて行かなければならない。
みんなの夢が叶うあの場所へ。
グループを背負うプレッシャーのような物に、時々押しつぶされそうになった。
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りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無し様。いつもキュンキュンしながら読ませて頂いてます！お互い更新頑張りましょう！ (2021年8月14日 0時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - りぷるさん» ええ！！まさかりぷる様が見てくださるとは……めちゃくちゃ嬉しいです泣 お互い更新頑張りましょうね！ (2021年8月13日 23時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - はじめまして！素敵なメッセージありがとうございます！名無しさんのファンなのでコメント光栄です！こちらこそ参考にさせていただいてます！新参者ですので色々教えてください！こちらも更新楽しみにしてます！ (2021年8月12日 23時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。検索をかけたらりぷる様の作品がヒットして全部読み漁りました笑 個人的に白緑が好きなのでめちゃくちゃ嬉しいです。文章とか作品の書き手(?)としてすっごい参考になります。無理せず更新なさってくださいね。楽しみにしてます！(^^) (2021年8月12日 21時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - はじめまして！素敵なコメントありがとございます。初めてコメントいただきましたので、すごく嬉しいです！拙いお話ですが、また更新しますのでお読みいただけると嬉しいです！ (2021年8月12日 11時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年8月7日 21時
