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ある日の帰り道。
焦れたように俺の唇を請う克樹をもて遊ぶように見つめると
「好きだよ、嶺亜‥」
振り絞るような切ない声で克樹は言った。
その言葉はタブーだと分かっていると思っていた。
お互い避けてきたはずだったのに。
俺が頷いてしまったらまた夢が遠のく様に思えて‥開きかけたパンドラの箱を急いで閉じた。
「ゲームは終わり」
明るく突き放す様に言った俺の言葉に、克樹は顔色を変えた。
「‥どう言う意味？」
「いつまでも遊んでいられないんだよ」
「待って‥待って嶺亜‥」
「時間が無いんだ。お前だって分かってるだろ？」
そう言うと、克樹は全てを悟ったように頷き、涙を一粒流して帰っていった。
それからの克樹は覚醒した。
今迄言ってこなかった大学名を公表して、苦手だと言っていたクイズの仕事を貰ってくるようになった。
何を売りにすれば仕事につながるのか。戦略を練り、色んな所に頭を下げて仕事を掴んできた。
時に無理なダイエットもして、今迄あまり飾らない方だった見た目の研究も始めた。
克樹が変わり始めてから初めての、久しぶりの単独ライブ。
緑のペンライトが一番多い日があった。
今迄ひまわり畑みたいに黄色かった客席が、緑色に染まっているのを見た時、
俺は悔しかった。
でもそれ以上に嬉しかった。
みんなとの夢の場所へ一歩近づいたような気がして。
何故だか涙が出てきた。
「克樹‥綺麗だね‥草原みたい」
客席を見ながら涙を浮かべる俺の手を克樹は握りしめた。
「嶺亜‥待ってて‥俺頑張るから‥
頑張って嶺亜と‥みんなと夢叶えたら‥
もう一回迎えに行くから‥」
そう言った克樹の手を、俺は強く強く握り返した。
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りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無し様。いつもキュンキュンしながら読ませて頂いてます！お互い更新頑張りましょう！ (2021年8月14日 0時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - りぷるさん» ええ！！まさかりぷる様が見てくださるとは……めちゃくちゃ嬉しいです泣 お互い更新頑張りましょうね！ (2021年8月13日 23時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - はじめまして！素敵なメッセージありがとうございます！名無しさんのファンなのでコメント光栄です！こちらこそ参考にさせていただいてます！新参者ですので色々教えてください！こちらも更新楽しみにしてます！ (2021年8月12日 23時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。検索をかけたらりぷる様の作品がヒットして全部読み漁りました笑 個人的に白緑が好きなのでめちゃくちゃ嬉しいです。文章とか作品の書き手(?)としてすっごい参考になります。無理せず更新なさってくださいね。楽しみにしてます！(^^) (2021年8月12日 21時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - はじめまして！素敵なコメントありがとございます。初めてコメントいただきましたので、すごく嬉しいです！拙いお話ですが、また更新しますのでお読みいただけると嬉しいです！ (2021年8月12日 11時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年8月7日 21時
