標的276 最後の戦い ページ38
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「これだけはずっと昔からわかっていたんです…ここが白蘭との最後の戦いの場所になることが…。明日…夜明けと共に始まる戦いで全てが終わります。」
ユニは真っ直ぐとした目でそう言った。
「最後の戦い？」
「はい、白蘭も焦っています。この戦いに全てを懸けてきます。」
「その予知は…確かなんだろうな…。」
ユニはコクリと頷く。
「勝敗は…予知できないのかい？」
「はい…私が昔から見ていたのは皆さんとこうして話す光景と、この森で戦いが始まる様子までです…。」
つまりユニはこの光景を知っていたというのか。
「あ…あの…戦いに勝ったら…私達、元の世界へ戻れるんでしょうか？」
ハルは不安そうにユニに質問する。
「白蘭は他のパラレルワールドの自分と、考えや知識を共有できますが、裏を返せば全て繋がっていて、実体は一つしかないということなんです。」
「実体は一つ…。」
「ししっ、つまり一人を倒せば他の世界のアイツも消滅するってわけだな。」
「はい。この世界で白蘭を倒せば、全パラレルワールドの白蘭は消えて、もう恐ろしい未来の待つことのない平和な過去へ帰れるはずです。」
ユニはそう言うと微笑んだ。
「最大のピンチは最大のチャンスでもあるわけだな。」
「この戦いに勝てば、遂に皆んなで平和な過去に帰れる…！！」
「勝てばだがな。」
ラルは喜ぶツナに水を差す。
「なっ、嫌な言い方！！」
「今んとこ何とかボンゴレ匣でしのげているが、奴らの力はあんなもんじゃねぇはずだ。厳しい戦いになるぞ。」
「ひぃっ！…あっ…ていうか、夜明け…？夜明けって、考えてみたらほとんど時間ないじゃん！！」
「今更何言ってんだ馬鹿。」
「作戦も何も考えてないしヤバイよ〜！！ひぃ〜っ！！どーしよ〜！！」
慌てふためくツナを見てベルは私に呟く。
「しししっ、お気楽な連中。」
「もうベル、そこがツナ達のいいところなんじゃん。」
私はツナ達を見て微笑んだ。
結局、作戦はツナと入江が中心となって立てていった。
ユニの予知で敵の来る方向は大体わかっていたので、その地点の守備担当が主に決められた。
桔梗、ザクロ、ブルーベルの3人がそれぞれ別方向から攻めて来る。
特に大きな怪我をしていなかった私とベルは、ブルーベルの来る方向の守備担当となった。
「よし、絶対守り抜こうね！ベル！」
「…お前のこともな。」
ベルは私に聞こえないようにボソッと呟いていた。
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作者名：もちゅろ | 作成日時：2019年5月17日 11時
