標的187 お預け ページ47
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「じゃあ藁人形も剣士目指してたのも、スクアーロに嫉妬して?」
「もうその話いいからとっとと手を動かせ。つか人の部屋勝手に入んなよ。」
「ふふふ…部屋の鍵開いてたからね。」
「うぜー…。」
今、ベルはAの部屋で荷物の片付けを手伝ってくれている。
あれから私達はベルの部屋に藁人形を処分しに向かった。
そこから私の部屋に戻っていたのだが、途中でスクアーロに会いこっぴどく怒られたのがついさっき。
「にしてもスクアーロうるさすぎだよ。いつもの3倍は声出てた。」
「しししっ、ほぼお前が悪いけどな。」
「いや、ベルの藁人形もなかなかだよ。」
「知らね。」
この野郎。
私はベルの横顔を見つめた。
…でも、改めて実感する。
まさか本当に…両想いだったなんて。
私は嬉しさのあまりつい頬の筋肉が緩んでしまった。
「ししっ、何にやけてんの?」
「いやぁ…なんか、幸せだなぁって。へへ〜。」
「…A。」
するとベルは顔を近づけてきた。
「え、何?」
「そういう顔はずりぃ。」
「えっ?」
ベルは私の頰に右手を添えた。
前髪から垣間見える真っ直ぐな目に射抜かれる。
「ベ、ベル…?」
徐々に縮まるベルとの距離。
私はどうすることもできず、ただ高まる心拍数を必死に抑えようとしていた。
「目…閉じろ。」
「へ…!?あ、はい…。」
こ、これは…もしかして…。
私は混乱しつつも言われるがままに目を閉じた。
ベルの吐息が唇にかかり、私はショート寸前の頭で必死に理解した。
やっぱりこれは…いわゆるキ…。
「Aちゃ〜ん!いたら返事してちょうだ〜い。」
その時、部屋の外からルッス姐が私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「い、いい、いるよ!どうしたのルッス姐!?」
ベルが私からスッと離れる。
「入るわよ〜。」
「えっ!?」
入ってくんなよ!!
てか、またも鍵かけ忘れてたAが悪いのか…。
「あらっベルちゃんもいたのね!」
「か、片付け手伝ってもらってたんだ!」
「そうだったのね!ご飯できたから呼びに来たのよ。キリのいいところでいらっしゃいね〜。」
それだけ言うとルッス姐は部屋を出て行ってしまった。
あ、危なかった…色々と。
「チッ…あのオカマぜってー殺す。」
ベル様の方はお怒りでいらっしゃる。
「ま、まぁベル!とりあえずご飯…食べに行こ!」
私はそう言うと顔の熱を冷ます為、手で仰ぎながら立ち上がった。
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あゆちぇる(プロフ) - もちゅろさん» もちろん見させて頂きます!!!!読んでてめちゃくちゃ楽しいのでこれからも愛読させてもらいます!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: 7bbcc4d7df (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - noa.さん» 遅くなりすみません!まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました!設定、詰め込みすぎてわかりにくくなってないか不安だったのでそう言って頂けると嬉しいです!また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみください! (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 遅くなりすみません!まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました!面白い…その言葉だけで本当に励みになります!また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみ下さい! (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - あゆちぇるさん» 遅くなりすみません!まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました!コメント拝見させて頂きました…。本当に嬉しい言葉の数々で…。ありがとうございます!!また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみ頂けると嬉しいです! (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
noa.(プロフ) - 主人公の設定がしっかりしていて楽しく読めます!!!何よりもベルと仲が良いのが幸せすぎます!更新楽しみにしていますね、頑張ってください! (2019年1月4日 1時) (レス) id: 5ffce0853a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちゅろ | 作成日時:2018年11月15日 13時