標的173 入隊試験 ページ32
・
「本当にあの時は一生懸命君の口調を正したなぁ。」
「うるさいな。」
「私といる時は完全には直ってなかったけど、今の君の様子を見ると随分マシになったようだね。頑張った甲斐があったよ、ハハハ。」
「お陰様で可愛い女の子やってますよーだ。」
「それはどうかなぁ。」
「あぁ？んだとジジィ！…あっ。」
「ハッハッハッ、まだまだ教育が必要かもしれないね。」
「う〜普段は気をつけてるんだよ！」
私はティモをキッと睨んだ。
「そうかそうか。それにしても、君は今回、はるばるイタリアまでこんな話をしに来たのではないのだろう？」
そうだ。
私がここに来た理由、それは。
「うん、ヴァリアーの処分について聞きたくてね。」
「やっぱりそのことか。うん、それはね…これから発表するんだ。」
「そう、なんだ。どうなるか…とか教えてもらえない？」
「A、君はヴァリアーとは何の関係もないはずだ。それを知ってどうするんだね？」
ティモは少し口角を上げてこちらを見る。
このジジィ、全部お見通しのくせに。
「そうだね。今はAはヴァリアーとは何の関係もない。でも、仮に処分が軽く、ヴァリアーが存続される…なんてことがあるとすれば、Aはヴァリアーに入隊したいと思っている。」
私は強く睨むようにして言い放った。
「ほう、ヴァリアーに入隊ね…。いやいや…ハハハ。君ならそう言うと思ったよ。」
「やっぱ勘付いてたんじゃん。」
「でも君の口から真の気持ちをちゃんと聞くことは大切だ。」
「でもティモ、それ聞いてどう思うの。言ってしまえば反逆者の組織に入りたいだなんて。」
「どうも思わんよ。反逆…確かに彼らは反逆者だ。だがこれは私の責任でもある。彼らだけを責めるのは不本意だと思うんだ私は。」
「……。」
「だから別に反逆者の組織だとかそんな風には考えとらんし、君が自分の意志で入りたいと思ったのなら私はそれでいいと思っている。」
「そっか。」
「ハハ…でもそうか、ヴァリアーに入隊か。あそこは厳しいぞ。」
ティモは突然私に挑戦的な眼差しを向けた。
「知ってるよ！それにAの実力もティモはわかってるでしょ。」
「わかってはいるが…そうだな。今から私の軽い入隊試験を受けてみないかい？」
「はあ？まだヴァリアーの処分がどうなるかも聞いてないのに？それにティモの試験受けてどーすんのさ。」
「いいじゃないか、ちょっとした遊びだ。」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あゆちぇる(プロフ) - もちゅろさん» もちろん見させて頂きます！！！！読んでてめちゃくちゃ楽しいのでこれからも愛読させてもらいます！！ (2019年4月23日 18時) (
レス) id: 7bbcc4d7df (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - noa.さん» 遅くなりすみません！まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました！設定、詰め込みすぎてわかりにくくなってないか不安だったのでそう言って頂けると嬉しいです！また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみください！ (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 遅くなりすみません！まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました！面白い…その言葉だけで本当に励みになります！また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみ下さい！ (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
もちゅろ(プロフ) - あゆちぇるさん» 遅くなりすみません！まだ見てくださってるかはわかりませんが本当にお待たせしました！コメント拝見させて頂きました…。本当に嬉しい言葉の数々で…。ありがとうございます！！また更新頑張っていこうと思うのでよろしければこれからもお楽しみ頂けると嬉しいです！ (2019年4月22日 0時) (レス) id: 0294ce9dbf (このIDを非表示/違反報告)
noa.(プロフ) - 主人公の設定がしっかりしていて楽しく読めます！！！何よりもベルと仲が良いのが幸せすぎます！更新楽しみにしていますね、頑張ってください！ (2019年1月4日 1時) (レス) id: 5ffce0853a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちゅろ | 作成日時：2018年11月15日 13時
