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7話 ページ8

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ぐっすり眠っていたAだが、
家に着く頃にはもう意識がはっきりとしていた。




ダンデ「そういや、なんであそこに居たんだ?」

「調べ物帰りに1階のショップ寄ろうと思って。
そしたら見覚えのある子がいたからナンパしちゃった」

ダンデ「人の相棒に何してるんだよ」

「へっへっへぇ」




玄関の扉を開け、先に中に入るよう促すと
「おじゃまします」なんて律儀に挨拶をして入っていく。


子供っぽかったり大人びていたり、よく分からない面白い子だ。



Aは奥の部屋まで進んでいくと、
不意に「あっ!」と声を上げる。




「タマゴがある!」

ダンデ「あぁ…」

「わぁぁ〜!久々に見た…!」




ベッドの上でタオルと布団に囲まれたタマゴを見つけたらしい。


遅れて部屋に入ると興味津々な様子でガン見していた。




「何のタマゴ?」

ダンデ「さぁ」

「元気に産まれてくるんだぞ〜!」

ダンデ「A、風呂入るか?」

「いやそこまでは甘えられないよ」

ダンデ「? そうか」




俺はあまり人の家に泊まることも人を泊めることも無いので、
断られたらそれ以上こちらから勧めることもあまりしない。


ささっとシャワーを浴びて部屋に戻れば
Aに「上なんか着て!」と怒られてしまった。




「デリカシー無さすぎ」

ダンデ「すまない…?」

「ふふ、ダンデくんらしいけどね。あ、夜ご飯作ろうか?」

ダンデ「ほんとうか?たすかる」





そういえば家の冷蔵庫に何か入れてあったっけ、と
2人で中を覗いてみる。


すっからかんの中には申し訳程度のスポーツドリンクと
カップラーメンだけが陳列されていた。





「……なんでカップラーメン冷やしてるの」

ダンデ「なんでだろ…」

「あっはは、ふふ、くっくっ…」

ダンデ「笑いすぎだぜ」

「ごめんごめん。じゃぁ私の食材と合わせて
ちょっと豪華なカップラーメンにしよっか」





不敵に微笑むA。


俺より頭1つ分小さいのに、なんだかドキリとしてしまった。




咄嗟に目を逸らしてしまう。





ダンデ「なっ、なにか手伝えることは?」

「ダンデくんは相棒たちのメンテナンスでしょ」

ダンデ「なんで知ってる……」

「ダンデくんのインタビュー記事はどの雑誌にも載ってるからね」






からかうように小突いてくるA。





いつもは食べて寝るだけの夜が

無性にワクワクしてしまうのだった。








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作者名:曙ぼあ | 作成日時:2023年9月11日 21時

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