第2話 ページ2
涙のお別れをして１０年たったけれど、未だにあの彼からの連絡はない。
なぜ連絡先を交換しておかなかったのかと悔やんだ日もあったが、当時５歳だった子どもが携帯電話など持っているはずがなく、しかも家が厳しくて遊びにも行かせなかった彼の保護者が、私との連絡先交換など許さなかっただろうと大人になって気がついた。
もう顔も名前も忘れてしまったあの人。
私から探すのはもう無理だと悟るのに時間はかからない
そんな昔話を思い出しながら、私は今高校の入学式へ向かっている。
そう、私は今日から豊が丘高校の１年生。
この豊が丘高校はこの辺では名のある進学校だ。
頭がそこまで良くなかった私が運よく入れてしまったこの高校で今日から３年間。勉強についていけるか不安ではあるけど、中学ではできなかった彼氏を作って青春してやるぞ！！と地味に乗り気なのは自分だけの秘密だ。
そんなことを考えながら、感慨深く校門を渡ろうとしていたら
ドンッ
「「痛っ」」
誰かの背中に勢いよく追突してしまった
「ご、ごめんなさい！！！！」
必死に頭を下げる。
登校初日から何をやってるの私！！
怖い先輩だったらどうしよう
骨折れたとか言ってパシリにされたらどうしよう！！
そんなことを考えながら恐る恐る顔をあげると
「・・・・・っ」
何かびっくりしたような、何か言いたそうな顔のイケメンがいた。
どこかで見たことあるような気はするけど、こんなかっこいい人一度見たら忘れないだろう
何か怖いから、変な言いがかりをつけられる前にとりあえず、もう一度謝ってすぐに去ろう！
「本当にごめんなさい。前を見ていませんでした！！すみません！！！」
それはもう必死に頭を下げてその場からダッシュで逃げた。
よし、名前も学年も言わずに去ることができた！これでパシリにされるようなことはないだろう。
逃げるが勝ちとはうまくいったものだ。ふふっ
なんて上機嫌で私は校舎の中に入っていった。
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ぶつかった彼が不気味に笑ってたなんて知らずに
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メラ - viaさん» ありがとうございます！そう言っていただけると、元気もらえます(o^^o) (2020年6月6日 12時) (
レス) id: 40f63785af (このIDを非表示/違反報告)
rin - viaさん» めちゃくちゃうれしいです！ありがとうございます！ (2020年6月6日 12時) (レス) id: d007864731 (このIDを非表示/違反報告)
via - すごく面白いです！展開が楽しみ…この後どうなるんだろう！最高です！！応援しています！ (2020年6月6日 11時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
メラ - rinさん» ありがとうございます！やることが一区切りしたのでまた更新する予定です！ (2020年6月5日 1時) (レス) id: 40f63785af (このIDを非表示/違反報告)
rin - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月30日 22時) (レス) id: d007864731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メラ | 作成日時：2020年5月30日 22時
