二階堂カップル【あなたの番です】

#37 ページ37

･



A｢ザッとこんな感じかな....｣

黒島｢....｣






黒島さんは、最後まで真剣に聞いてくれた






A｢あの後、忍から聞いたんだけど、親の事、薄々勘づいてたらしいの。｣

黒島｢....あの｣

A｢ん？｣

黒島｢ごめんなさい｣

A｢....え？｣






何で黒島さんが謝るの....？






黒島｢私、普段、二階堂さんと一緒にいる日向美さんを見てて、｢あーこの人は素敵な家族に囲まれて、幸せに暮らしてきたんだな｣なんて、考えてて、でも実際はあんな.....本当にごめんなさい｣

A｢いや、黒島さんは何も悪くないよ。だから、顔上げて？｣

黒島｢....あの時、｢一緒だから｣って言っていたの、意味が分からなくて。でも、ようやく知れました。話してくれてありがとうございました｣

A｢ううん........家族が皆殺されて、普通なら悲しむはずなのに、喜んでる自分がいるのが、少し怖くて｣

黒島｢私も。自分自身が怖かった......やっぱり私達、似てますね｣

A｢....そうだね｣







素直に嬉しい。こんな風に笑い合える友達ができて、





黒島｢....あの｣

A｢ん？｣

黒島｢ずっと思ってた事なんですけど.....その.......これからは、Aちゃんって呼んでもいいですか？｣

A｢！！......うん。もちろん。じゃあ私も......沙和ちゃん...？｣

黒島｢はい！｣







こうして下の名前で呼び合うのは、沙和ちゃん以外にもいたけど、何だか沙和ちゃんは特別に感じる






A｢後さ....敬語もやめない？｣

黒島｢いや、でもそれは....｣

A｢沙和ちゃん言ってたでしょ？先輩でもあり、お友達でもあるって｣

黒島｢！！......友達じゃなくて｢親友｣だよ！Aちゃん！｣

A｢！！｣









親友....か







黒島｢帰ろ、Aちゃん｣

A｢うん｣

#38→←#36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す