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[LC]恋文[デジェル] ページ27

きっと、貴女にこんな事を言っても笑われるだけかもしれない。

貴女はこういった事には本当に疎い人だから、、

私の言葉の真意だって気付いた事が無いのだろう?

私がどんな想いで貴女を見て、どんな喜びを持って貴女と会話しているのかを、貴女は全く理解していない。

皆に笑顔を振りまく貴女は愛しいと同時に憎らしくもある。

・・・その笑みが、全て私の物になればと、、

Aの全てが私の物になればなどと、、思ってしまうのだ。


「・・・あの人が、、」

本に挟まっていた手紙を読み終わると、彼女はため息をついた。

それにしても、だ、、

あの人、、自然と思い浮かぶのは聖域一の知の聖闘士と謳われた彼の姿、、

いつもクールに見えたあの人も、心の奥底ではこういった熱い想いを眠らせていたのか、、


「人って、解らないものね、、」


1人、呟いたところで書庫の扉が開いた。


「A、探していた本は見つかったのか?随分遅いものだから心配して、、」


書庫に入って来たのは先程まで想いを巡らせていた人物、、水瓶座(アクエリアス)のデジェルだ。

彼は彼女、、Aの手にある紙を確認すると口を止めた。


「それをどこで、、まさか読んで、、!」


慌てて手紙を取り上げたデジェルは動揺を隠しきれない。


「・・・Aの全てが私の物になればなどと思ってしまうのだ、、」

「読んだのだなっ!」


手で顔を抑えて天を仰ぐ彼は珍しく余裕がない。


「本に挟んだままにするから、、」


彼らしくもないミスだ。

でも、、


「・・・嬉しかったよ、、」

「えっ、、?」

「だから、、嬉しいって、、」


・・・告白はデジェルからだった。

あの時は驚きやら幸せやらで、、

でも、いつも冷静沈着な彼が私と一緒に居て楽しいのかと、、

私ばかり好きだと思っているのではと、、

・・・とても不安だった。


「私が一方的にデジェルが好きなんじゃないのかなって思っていたの。」

「確かに想いは伝えたはずだが、、?」

「そういうのじゃなくて。」


あーあ、私も素直に言えば良いのに。


「・・・何でもない。」

「・・・愛している、A。」


唐突に紡がれたその言葉に心臓が跳ねた。


「こういうのではなかったか?」


得意そうに笑って言うデジェルに、やっぱり敵わないなあと、、


「あってる、、嬉しい。・・・私もデジェルのこと、愛してる。」


恋文も良いけど、貴方に直接言われた方が嬉しいの。

あー、私って、、

本当に幸せ者ね!

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みくも。(プロフ) - リクエストでアスミタ様、シャカ様を御願いします!! (2018年8月15日 1時) (レス) id: f0d852326e (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストで夢神ズで愛してるゲームお願いします (2018年3月10日 19時) (レス) id: c8ec8f5264 (このIDを非表示/違反報告)
ハーデスLOVE - 薄紅梅さん» またリクエストをさせて下さい。前と同じ様に冥王ハーデスの激甘をお願いしたいです。宜しくお願い致します。 (2017年11月4日 9時) (レス) id: af04e3343b (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストでモルペウス様をお願いします (2017年9月16日 16時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 薄紅梅さん» お久し振りです。機種変更して新しくやらせて頂いています。小説読ませて頂きました。凄く良かったです、有難うございます。また宜しくお願い致します。 (2017年7月30日 1時) (レス) id: dad805e2b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薄紅梅 | 作成日時:2017年1月8日 1時

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