【wrwrd】幹部死んでたんで助けます (ページ33)

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ひとらんの朝食ページ33

zm｢おはよう。俺の事見える？｣

『あぁ……おはよう。』

目の前には珍しくフードを被っていないゾムがいた

ゾムと最近よく一緒にいたからな……
少し離れただけで随分と長い間
声を聞いていなかった感覚がする……

zm｢見えるんや……よかった……。｣

ゾムは少し俯き安心した表情を見せた

(コイツ、妙に顔が整ってるよな……)

フードを被っていないからこそ目立つ
白い肌

少しボサっとした茶髪に
エメラルドグリーンの目と、
ニッと笑った時に見える尖った歯

年上とは思えない青年と錯覚させる若々しさだ

zm｢はい！ひとらんの作った朝食！｣

私の目の前にはホテルとかでよく見る
健康的で綺麗な朝食が並べられる

『ひとらんが作ったのか！？凄いな……』

zm｢めっちゃ美味いで！｣

『じゃあ、有難く頂こう。』

私は次々と料理を口に入れる

その度にフワッとした味が広がる

(美味しい……)

『美味しい……凄い……。』

その味の美味さに思わず言葉がまとまらず
口数が減ってしまった……

ht｢それは良かった。｣

『〜〜〜！！？』

いつの間にかゾムの隣にひとらんが立っていた

驚きすぎて、むせてしまった……

私はコップの水をぐいーっと飲む

ht｢大丈夫？w｣

『すまない……いつからいたんだ？』

ht｢？？さっきかな？｣

(副作用の影響でまだ完全に人の気配が感じられないのか？)

『そうか……ひとらん、とても美味い……最高だよ。』

ht｢よかった……嫌いな食べ物を知らなかったから、大丈夫かなって……。あ、アレルギーとかない！？｣

ひとらんは、ハッとして声をあげる

隣にいたゾムがビクッとしたのが傑作だった

『あぁ、少し花粉症くらいで特にはないな。』

ht｢そっか……苦手な食べ物あったら言って。｣

『随分と優しいんだな……。』

先程から、二人とも優しすぎる……

他のやつや幽霊はどこに行ったのだろうか……

zm｢当たり前やん！｣

ht｢この前のこともあったし、感謝の意をこめて、ね？｣

『そうか……。』

今まで私にとって人を生き返らせるのなんて
当たり前だった……

今思えば、凄い能力なのだな……

感謝される嬉しさを
人の役に立つ喜びを久々に感じた

自然と笑いが込み上げる恥ずかしさを紛らわすように、私は、また朝食を口に入れた。