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Aside
最後にあなたを見かけたのは
最後に見たあなたは、闇が顔を出しはじめて、夕暮れが終わろうとしていたとき。
日の光があなたのその、オレンジっ毛の多い茶髪にほどよく差していて。
整った顔立ちも相まって、何倍もかっこよく私の瞳に映らせた。
そして、気だるげで、眠そうな目を見開かせて私に
やっぱり、あの日以来1度も訪ねてはくれなかったのだろうか。
“今”はもう、私のことなんて忘れて、新しい彼女でも作っているのだろうか。
でもね、私は“覚えている”の。ちゃんと。私の体は忘れなかった。
だから、だからね、太一。
私は今でも、そしてこれからも。
あなたのことが大好き。
大好きだよ。
_______________ねぇ、_________。
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川西side
……神様は存在するのだろうか。
仮に居たとして、その神様は、願いを叶えてくれるだろうか。
神様は実在するか否か、なんていう問いをするのは小学生や中学生までだろう。
もちろん、完全なまでに信じる人は少ないと思うが。
ましてや、高校生にもなってしまえばそれは“馬鹿げた話”に変わるもの。
_________________それでも。
俺は神様を信じてきた人で、現実の理不尽さを知った今でもなお、完全に神様を信じている。
信じて、祈る。
いや、信じないと。
信じていかなきゃ、俺がやっていけない。
生きていく自信が無い、の方が正しいのかも。
あ、言っとくけど宗教じゃないよ、そこは勘違いしないで欲しい。
だから、だから今日も
俺は、
アイツが“生きている”と信じて。
きっとどこかで、元気にやっているって、
そう神様に祈って。
俺は生きていけるんだ。
好きだよ、A。
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作者名:水菜 | 作成日時:2022年12月11日 16時