第16話 罠�� Side:安室 ページ35
相変わらずカルアの情報はゼロ。
早く情報を掴まないと。
何せこちらが疑われているのだ。
まったく、たまったもんじゃない。
でも、ベルモットが言う通り、目撃情報が全くないというのも不自然な話だ。
なら彼はどうやって生きている。
匿っている人物がいるという彼女の考えは強ち間違えてはいない気がする。
いくら天才だからといって、目撃情報まで操ることはできないはずだ。
では誰が…
そんな人物いただろうか。
何も知らずに怪しい男を匿うとも思えないため、無関係な人間ではないのは確かだ。
だとすると、彼のことを知る人物。
組織のことを知る人物…。
考えていると、組織用の携帯がメールの受信を告げた。
『至急、アメリカへ』
その意味を考える余裕もなく同じ携帯が着信を告げた。
『メールは読んだかしら？』
「一応、読みましたよ」
あんたが電話してこなければ、もう少しじっくり考えられたがな。
「至急って、まさか…」
『そのまさかよ』
と、いうことは、これで疑いは晴れるわけだ。
でも何故？
『空港の監視カメラと顧客簿にカルアのハッキングが確認されたのよ』
ハッキングが確認されたって…
カルアがそんなわかりやすく痕跡を残すだろうか。
あの天才に限って失敗などするはずがない。
『あの天才に限って…、組織の人間ならそう考えるはず。今の貴方のように。でも、もし彼がすでにアメリカにいて、そう考える我々を日本に留めるためにこのタイミングでハッキングをしたのだとしたら』
「……、監視カメラの細工は？」
『復元したらカルアらしき人物がアメリカ行きの飛行機に乗った映像があったわ。それも恐らくは彼の罠。私たちのように、わかりやすい細工を疑った組織の人間が日本に残るように。それが組織の判断よ』
わざわざ組織の人間を自分がいるところに留めておくはずがないと判断して、アメリカ行きの命令が出たわけだ。
やっと理解した。
これだけの内容をあのメールだけで伝えようとするあたり、本当にこの組織はすごいと思う。
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夏生莉緒(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！更新頑張りますね^ ^ (2019年4月29日 18時) (
レス) id: 178bcf1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - とっても、面白いです＾＾ 頑張って下さい (2019年4月29日 18時) (レス) id: ba2dc2fbad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2016年8月15日 15時
