第10話 家族�� Side:コナン ページ24
「僕が殺した」
彼の発したその言葉が衝撃すぎて、動きが止まった。
校庭ではクラスメイトたちがサッカーをしているはずなのに、音が一切遮断され、自分の心臓の鼓動だけが嫌に耳に響く。
目に映るのは目線を落とした彼だけ。
なんとなく。
ただなんとなく、家族がいれば人質になり得るんじゃないかと考えて聞いただけだった。
でも聞いてから思う。
家族がいたらそう簡単には逃げたりしないか、と。
「僕がたてた計画で殺された」
急に入ってきた音は彼の声。
「ハッキングなんか使わなくても世間に公表されない、警察に見つからない殺人計画をたてた」
周りはガヤガヤしているのに、彼の声だけはっきりと聞こえる。
俺は今、ものすごく彼の話に集中している。
「言い訳にしかならないけど、当時はそれが本当に実行されてるなんて知らなかったんだ」
外との接触がなかったからね、と自傷気味に笑った彼。
やっと顔を上げたかと思うと、今度は後ろに手をついて空を見上げた。
その目は今にも涙を流しそうで。
悲しい目をしていた。
「本当なら、今すぐ警察に行って全てを話すべきなんだと思う。でも……」
そんなことしたら、彼がどこにいるのか組織にバレてしまう。
小さくなっていることも。
「警察全てを信用することはできない」
警察の中に組織の人間がいる可能性を否定できないということか。
「もう少しこの生活を楽しみたいしね」
話は終わりだとでも言うように、突然笑顔を見せた彼だが、その笑顔にはもちろん違和感があって。
でも、それを指摘することなど俺にはできなかった。
彼が立ち上がると同時にチャイムが鳴り子供たちが寄ってくる。
そういえば、彼はいつから組織にいたのだろう。
そんな疑問を抱いたが、後で灰原に聞こうと、歩く彼の後姿を見てそう思った。
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夏生莉緒(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！更新頑張りますね^ ^ (2019年4月29日 18時) (
レス) id: 178bcf1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - とっても、面白いです＾＾ 頑張って下さい (2019年4月29日 18時) (レス) id: ba2dc2fbad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2016年8月15日 15時
