記憶から生まれた化け物 ページ28
美妙「...この事実はあの女に伝えてはダメ。隠すのよ」
吉川「だが不憫なもんだな...変な影に襲われて、娘だけが生き残る。傷は数ヵ月前、死んだ部下の死体にあったものと同じだ」
美妙「菓弥は覚えている。偶然...いや、生かされたあなたの部下も。恐怖が深く刻まれている」
吉川「部下は翌日に首を吊った。菓弥は精神が強いからいいよな」
美妙「Aにバレる前に敵の正体を探りなさい。おそらく魔物を合成したものよ」
敵は霧。突然目の前に現れる
一番特徴があるのは"殺し方"だ。相手の顔を潰した後は、身体すべての皮を剥がし尽くす。目撃者に恐怖を刻むように...
朧「葬式は...もう少し先ですね」
松陽「...琲世には伝えないんですね。そうしたい、と願ったのは私ですが...」
朧「先生、すみませんがこの話はやめましょう。敵の正体がわかりました」
ポオ「偵察ご苦労。結論は?」
朧「人一倍戦っている琲世は、同様に憎しみや苦しみの記憶もある。それらの集合体です。他は我らの奪われた負の記憶でしょう」
負の記憶と言えど、私たちの欠片ということに間違いない。こんな形で恐怖を克服したなどとほざくならば、私たちは人間として失格だ。
その記憶を忘れず、それらを抱えて生き続ける。自然と忘れた時こそが本当の克服と言える
松陽「どれだけ苦しい記憶だろうと、必ず取り返す。琲世の記憶も...全て奪い返す」
朧「琲世の記憶は難しいかもしれません」
ポオ「何故だ?」
朧「コピーされてない記憶があります。全てを忘れた琲世に全て返す、というのは無理があるでしょう」
松陽「虚を脅してでも取り返す。大切なものを取り返せるなら、悪魔にだって魂を売りますよ」
人間として当たり前のことは全て幸せな記憶だ→←旧名:櫻愛実の最期
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年4月29日 15時