鈴の音 ページ43
「...!」
迅雷が死んだ。その確信があった
鈴の音が鳴り響いている
「...迅雷...ウォーカー...菜華...菜華...菜華...」
朝からずっと涙を流している。涙を流しているうちに、時は三月へと過ぎた。
菜華「お姉ちゃん...二人とも帰ってこないね。」
「...菜華、迅雷は死んだ。コトバからそう連絡が来たの...」
菜華「ごめんなさい...お姉ちゃん...」
「謝らないで。私に甘えづらかったのね...大丈夫。あなたがそうしたいなら、私はあなたの意思を尊重する。でも忘れないでね。私は永遠にあなたの味方だってことを...」
藍輝も、菜華も私が守る。この命を削ってでも...絶対に...
「っあ...!」
菜華「お姉ちゃん!」
陣痛じゃない...病気でもない...別の何かだ。
「...ごめんね。気のせいだよ...」
菜華「お姉ちゃんは何処にも行かないよね!?お姉ちゃんはずっと隣にいるよね!」
「うん...お姉ちゃんはあなたの分も...頑張る...よ」
変な儀式だ。少しずつそれが蘇る。
あの剣を私は、自分の身体に突き刺した。心臓に刺さらぬよう、でも心臓に近い場所に。それが麻美への永遠の忠誠
だけど私はそんなものを持ってない。菜華の分も頑張った
あの痛みを忘れたくて、あの記憶に蓋を閉じた。
「お姉ちゃん...みんなの分まで...頑張るからね...」
菜華「...うん。」
「みんなを不安にさせないように...」
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年12月4日 9時