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｢...迅雷｣
迅雷｢ご主人様、お休みになられてください。風邪を引きますよ｣
｢今からウォーカーを探すことは可能？｣
迅雷｢...可能です。彼女は私の中では妹のような存在であり、家族とも思っています。しかしご主人様の命も守らなくては...｣
｢子供は私が守る。あの子を探してきて。｣
迅雷｢...御意。敵は残らず排除します｣
ウォーカーを探さなきゃいけない。彼奴が最後に来たこの住宅街...一軒の庭に血痕がある。この家の持ち主は、昨日引っ越したばかりだ。
迅雷｢ウォーカーはそれを知って、ここから何かを探していた。その何かもウォーカーのことを知り尽くしていた...？｣
...ウォーカーは幼い頃に日本国内で売られ、それ以前の記憶は事故で失っている。巴衛家が買い取り、乗用車で屋敷に向かう途中に車同士がぶつかる事故に遭ってしまった。
然し本名はそれ以前から名乗ろうとしなかった。男っぽい名前だから、それを理由に話さなかった。
迅雷｢さて...家の中は殆ど空っぽ。地下はもちろん、壁の中に隠された遺跡...みたいなやつもない。一応買ってはいたんだな...｣
夜九時を知らせる時計。鳩が鳴く
迅雷｢...おじいさんの古時計｣
あんなのはウォーカーの趣味ではない。強い臭いだ
迅雷｢男のくせに香水なんて付けやがって...別に差別はしないが、こんなに臭い香水は初めてだ。早速特定を始めるか｣
松岡｢...おはよー...電話来てたのか？｣
ハカリ｢ああ、義手のおかげで代わりに出れたよ。古時計の鑑定結果はお前が起きる時間までに送るから、持ち主を特定しろだってさ。特定はお前の十八番だろって...｣
松岡｢うわ、面倒くさいな。...ん？これ...橘の指紋か！？｣
ハカリ｢見ただけでわかるのかよ...｣
松岡｢毎日指紋確認をしてたからな。機械だけに頼らず、肉眼でも細かいところまでチェックする。北海道公安独自のルールだ｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2019年12月4日 9時
