第４５話 なんで── ページ45
その言葉に、皆が驚気の表情を浮かべる。
ナイフで沢田を刺す──･･･そんなの、不可能に近い。
ただでさえ殴られるのでさえもあんなに
案の定、獄寺達も｢できるわけねーだろ｣と断るつもりだ。
でも──･･･。
ﾊﾞｰｽﾞ｢それはありがたきお返事♡それでは次のドキドキ行きましょう。じっくりこの子からいきましょーか？いやー、可愛いですな、天使のようだ｣
そう言ってアップにされたのは、笹川京子の姿──そして、その後ろにいる双子の殺し屋･･･。
その手には、硫酸が──･･･。
ﾊﾞｰｽﾞ｢やっちゃって｣
バーズのその一言で、硫酸を京子の頭からかけようとしてくる。
ツナ｢まって！！ナイフでもなんでも刺すから！！｣
貴｢なっ──･･･！？｣
･･･沢田の奴･･･今、刺すって言った･･･？？
バカなのか！？アイツ！！
ナイフで刺すって意味、理解してないのか！？
あのナイフに細工がされてない保証はない──下手すりゃ命だって危ないってのに･･･！！アイツは──･･･！！
ツナ｢絶対絶対ダメだ！！カンケーない京子ちゃんをひどい目に合わせるなんて！！｣
貴｢っ──･･･！！｣
ビビってて、声震わせて･･･チキってんのになんつーこと言ってんだよ･･･！！！
怖いなら逃げろよ！！
ナイフでもなんでも刺すとか言うなよ！！
なんで──なんでｯｯお前はｯｯ･･･！！！
ギリッと音が経つほど手を強く握り締め、唇を噛んだ。
ﾊﾞｰｽﾞ｢それではやってもらいましょうか？制限時間は１０秒ですよ｣
バーズの言葉に顔が青ざめながらも、地面に落とされたナイフを拾い上げる沢田。
そんな彼に、考え直すように進言する獄寺。
だけど、沢田はナイフを手放そうとしない。
ﾋﾞｱﾝｷ｢すぐ救急車をよんであげる。ナイフ貸しなさい｣
ツナ｢いいよ、自分で･･･やる･･･｣
カタカタと震える手でナイフをにぎりしめる沢田──ナイフを逆手に持ち、目を閉じる。
あぁ──コイツは･･･死ぬ気弾がなくても、守りたい人の為なら･･･いくら怖かろうが、誰になんと言われようが･･･命を張れるのか──･･･。
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2021年11月4日 21時
