第２２話 神影という女 ｰツナsideｰ ページ22
──ツナside
どこかで見たようなことがある女の子が転校してきた。
名前は、神影 Aさん。
彼女はミステリアスな雰囲気をまとっていた。
冷たすぎす、かと言って気を許しすぎないような態度で･･･あまり人と関わらないようなタイプなのかな、なんて思ってた。
休み時間とかは、必ずと言っていいほどヘッドフォンをつけて本読んでたし。
だけど、それ以上に俺が気になっていた事というと──･･･。
A『ご挨拶が遅れ、大変失礼いたしました。
獄寺くんに
所作の１つ１つがとても丁寧で──惚れてしまうほど綺麗な動き。
縁の太いメガネで隠れてはいるけど、目を伏せている時、長いまつ毛の奥に見えた透き通るような藍色の瞳･･･。
そんな綺麗な彼女の瞳が俺の脳裏に焼き付いてた。
獄寺｢それにしても、驚きましたね。あの神影ってヤロー｣
昼休みに屋上でご飯を食べている時、獄寺くんがそう口を開いた。
多分、獄寺くんが言おうとしてることはさっきの挨拶のことだろう。
獄寺｢テキトーに挨拶すんのかと思えば、あんなかしこまった挨拶しやがって･･･。まぁ、１０代目に対して敬意を払ってのことならそれでいいけどよ｣
握りこぶしを作りながら話をする獄寺くん。
なんか苦虫を噛み潰したような顔してんだけど･･･。
山本｢自分で挨拶しろって言ってたのにか？｣
獄寺｢うるせー！誰だってあんな風にするとは思わねーだろ！！｣
山本の言葉に、身を乗り出して反論する獄寺くん。
山本｢まー確かにそうだな。あの時、ドラマでも見てんじゃねーかって錯覚に陥ったもんな｣
確かにそうだ。
多分、あの場にいる皆がそう感じたんじゃないかな、なんて思う。
ツナ｢うん。なんて言うかさ･･･１つ１つの動きがすごく綺麗で･･･思わず見惚れちゃった｣
山本｢俺も俺も｣
獄寺｢･･･ま、確かにそうッスね｣
神影 Aさん･･･か。
記憶喪失だって話だったけど、
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2021年11月4日 21時
