ごめんね【歌い手】 (ページ5)

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待ち合わせの時計台の近くに来て、

しばらくすると、

そ「A！」

汗を額に浮かべて走ってくる彼方が来た。

ふふっ、汗だくじゃん。なんて笑うと、
うるさい。なんて拗ねちゃったけど。

あ、そうだ。
と伝えたい事があったことを思い出す。

『ねえ？』

『私もごめんね、愛してる』

やっぱり恥ずかしいなあ。
顔が赤くなってくる。

私と同じ位顔が赤くなった彼方は
私を抱きしめた。

そ「知ってる」

なんて、すごく恥ずかしそうな声で呟いて。

もう、はずがしいなぁ、
はたから見ればバカップルだよ。

なんて言えば彼方はうるさいって
また拗ねちゃうかな。

『ふふっ』

私が笑えばつられて笑う彼方になんだか
嬉しくなって、

いつもじゃしない恋人繋ぎなんてして、
ココアを買いに行く。

……まあ、いつも引きこもってる私達は寒すぎて
お店じゃなくて家の前の自動販売機で買うんだけど。

『やっぱ、寒いね』

そ「うん、さむい」

『え？これは上着貸してくれるやつじゃないのー？』

そ「彼方さん、寒くて死んじゃうよ？」

そ「ほら手だけはあったかくしてあげるから」

って、彼方はポッケに繋いだ手を突っ込んで。

ちょっと照れた私にどやあって笑って、
今度は私がつられて笑って。

家に着くと、温度差でぼろぼろ涙を流す
私を見て本気で彼方が心配して、
それを見て私はめっちゃ笑って。

でも、私達は忘れてたんだ。

作業が残っていることに。

やっと2人とも作業が終わったのは
午前5時ほどで、目が半分閉じてたし、
ﾀﾋにかけてた。

そのまま2人ともすぐ、
アラームもつけずに、ヘッドに潜り込み
今日の目覚ましは真冬かななんて。
思って、眠りについた。