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手越side
マンションを出て、ホテルを仮住まいにした
タカのいないベッド
無意識に温もりを探すけれど
その度に1人だと言うことを痛感する
新しいマンションはまだ決まってない
タカと別れたことを知った錦戸くんが
「俺んとこ、こーへんか」
そう言ってくれたけど……
いっそ、このままホテルで暮らすのも悪くないかもしれない
タカとは仕事で顔を合わせるだけになった
歌うときだけは前と変わらないから
それが救いになっている
「相変わらず磁石だな」
全ての事情を知っているのに
ううん、知っているからこそ
シゲは感心したように呟く
「増田さんにはお前しかいないと思うけどなぁ」
「何言ってんの。もう終わったし!」
態と茶化して答えれば、シゲは寂しそうに笑う
「あいつじゃ役不足なんじゃねーの?」
「……そんなこと、ないでしょ」
別れた後、有岡くんと一緒にいるところを何度か見た
タカが幸せでいてくれたらいい
そう思っていた
だけど俺以外に向けられた優しい眼差し
それを目の当たりにすると泣きたくなる
タカは俺のだよ?
お願い、返して
取って行かないで……
どんなに胸が苦しくなっても
もう戻れない
それは、手を離した俺が一番わかっている
「手越?」
「けーちゃん……」
「今からシゲとご飯行くけど一緒にどう?」
「あー、うん。ありがと。行こっかな」
「そ?よかった!じゃ、20分後に駐車場で!」
……楽屋に荷物取りに行かなきゃ
「……てごし」
「タカ……」
誰もいないと思ってた楽屋に
荷物を片付けているタカがいて
俺の心臓は跳ね上がった
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りお(プロフ) - ○○さん» 温かいコメントありがとうございます(^^)。楽しんでいただけて嬉しいです。拙い物語ではありますが、これからもよろしくお願いいたします(^^)。本当にありがとうございました。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 咲凜さん» 初めまして。温かいコメントありがとうございます(^^)。とても嬉しかったです!励みになります(^^)。またよかったら覗いてやってください。本当にありがとうございました(^^)。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 完結お疲れ様でした!めっちゃおもしろかったです!りおさんの作品は心理描写が上手で引き込まれてしまいます。続編、新作。楽しみにしています(^^) (2019年4月14日 21時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
咲凜(プロフ) - 初めまして、【あいにだかれて】とても面白かったです!手越さんの心情描写がリアルで読んでてすごくド キドキしました!これからも小説頑張って下さい! (2019年4月14日 20時) (レス) id: 05def6a066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りお | 作成日時:2019年4月4日 20時