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歪*88 ページ8

どれくらい眠っていたのだろう。
続いていた頭痛はいつの間にか終わっているし、
映像も、何も流れては来ない。

そのことを不思議に思いつつ重い瞼を開ければ、そこは見慣れた、とても懐かしい風景。



「A!」

「A……良かった、本当にっ……」

「どこ行ってたのよっ!」

「おねーちゃん!!おねえちゃああん……」



思い思いの言葉を言ってはいるけれど、そのどれも、あたしの頭には入ってこない。


……あたし、さっきまで赤司さんの家にいたはずなのに。
酷い頭痛に悩まされながら眠った先程の出来事は、明らかに夢ではないし、
夢だとしたら、周りのこの反応は明らかにおかしい。


「……どうしたの?どこか痛む?」

「具合、やっぱり良くないんじゃないか?」



黙ったままのあたしを心配してか、お父さんとお母さんが眉を下げながら、あたしの顔を覗き込む。


「……へ、いき。
 あたしは、平気……」

「……A?」


親友、モカが首を傾げ乍らあたしの名前を呼んで、
あたしは弾かれたようにその顔を上げた。


「あたし、今まで……どう、なってたの?」

「貴方、一ヶ月近く行方不明だったの……!
 バイトから帰ってこなくなって、どうしたのかとっ」


うう、と涙を溢れさせて、あたしの眠るベッドに伏せるお母さん。
そっか。あたしは行方不明になっていたんだ……。


「ごめん……心配かけて」



あちらの世界でのあたしの存在は、どうなったのだろう。
なかったことになってる?それともまた、突然消えたことに?

……赤司さん、どうしたかな。



ぼんやりとした頭でそんなことを考えていたら、白衣を纏った小太りの男性医師が入ってきた。

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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・`)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です^^ これからもよろしくお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います!新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは!前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました(笑)今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…!お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛和 | 作成日時:2017年5月31日 23時

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