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歪*87 ページ7

そして、その日は突然やってきた。
昨日の好調な身体はどこにいったのだろう、というくらい、今日の体調は優れない。


朝はなんとか隠し通そう。と思っていたのだが、
残念ながら赤司さんにそんなことできるわけがなかった。


「今日の家事は一切やらなくていいから、大人しくしていて」

「でも……」


身体に力が入らない。なんだか熱っぽい。
映像はとめどなく流れてくるし、頭痛が酷い。

まともに歩くこともできないそんな状態で、たしかに通常通り家事をこなすことは無理だとわかる。


「いいから」


先程、秘書である黛さんに、少し遅れると連絡を済ませた赤司さんは、
ベッドへとあたしを運び、こうして寝かしつけている。

黛さん、最初に名前が出たときはもしかして。程度に思っていたけれど、
確認したらやっぱりあの黛千尋だった。
あの人が赤司さんの秘書なんて、なんだか想像がつかないけれど、
話によるとそれはもう有能で、頼りになる秘書なんだとか。


「……わかりましたから、お仕事行ってください」


「黛さんが待ってますよ」とあたしが言えば、眉を下げて心配を露わにした赤司さん。

家事はしない、と折れたあたしは微笑む。


「……心配だけど、今日は抜けられない会議もあるし。
 じゃ、今日はここで」

「んっ……!」


啄むように交わされた、行ってきますのキス。
クラクラする心地は、続く頭痛のせいか、それとも。


「……行ってらっしゃい、赤司さん」

「ああ、行ってきます」


ふわり。お互いに微笑み合って、
あたしは、彼の出て行ったその扉を、じっと見つめていた。

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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・`)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です^^ これからもよろしくお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います!新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは!前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました(笑)今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…!お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛和 | 作成日時:2017年5月31日 23時

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