歪*86 ページ6
「テメェ、痴漢の現行犯で逮捕すっぞ」
「っ……ってーな!んなことしてねえだろ!!」
「るせ。ほらいいからこの大根弁償しやがれ」と、火神さんの籠に
ポッキリと折れたその大根を入れた青峰さん。
……このふたり、一緒に買い物とかする仲なのだろうか。
「お前が買えよ!」
「はぁ?お前の頭に触れた大根だろうが。
お前以外誰が食うんだっつの」
「そもそも食品で人の頭殴んじゃねえ!」
「るっせーなぁ……」
そう言ってダルそうに頭を搔いた青峰さんは、
あたしを見て「よう、久しぶりだな」とその大きな手の平を頭に乗せた。
それを見て火神さんが「お前こそセクハラだろ」と漏らし、
またも口喧嘩に発展しそうだったので落ち着かせ、青峰さんに遅ればせながら挨拶を済ませた。
「……じ、じゃあこいつ、赤司の女ってことか……?」
お会計をそれぞれ済ませ、あたしと青峰さんの関係に不信感を抱いた火神さんに
誤解を解くように説明すれば、今度は嘘でもないような誤解をされてしまった。
「どうりで知ってる匂いだと……」と言いながら、あたしをまじまじと見つめる火神さん。
今は消防士として働いているらしい。
ちなみにこのふたり、スーパーで会ったのはまったくの偶然だとか。
さすがというかなんというか、光コンビなんだなぁと訳の分からないことを思う。
「あの、そうではなく、赤司さんにお世話になっている身です」
「世話……か。
赤司も人間だったんだな。鯖のカルパッチョサラダも食うのか」
……彼は一体、"赤司征十郎"をどんな目で見てきていたのだろう。
そんな風に思うも口に出すことはせずに、眉を下げて苦笑だけを浮かべる。
そうして少し話をし、洗濯物を取り込むからと頭を下げて別れた。
324人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・`)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です^^ これからもよろしくお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います!新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは!前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました(笑)今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…!お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛和 | 作成日時:2017年5月31日 23時