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番外編*02 赤司side ページ42

彼女が、万引きを働いた少年を咎めたその日。
交番に居た警官のひとりに、俺と彼女の関係を兄妹だと言われたことだったか。


「大体、どこをどう見たら俺とあの子が兄妹に見えるんだ」


顔だって違いすぎるだろう!
叫ぶように言いながら何本目かわからないビールジョッキをテーブルにダンと置く。

宮地さんが経営するこの居酒屋はたまにこうして使わせてもらっている。

居酒屋なのに落ち着いた雰囲気や料理の味が好みだからだ。
そして学生時代からの知り合いということで黄瀬や黒子など
目立つ人物といても面倒なことにならないのも利点だ。


昔馴染みに声を掛けたが、捕まったのは時間が自己管理制の黒子。
非番の青峰。当直明けの緑間だった。

黒子と緑間はウーロン茶を。青峰と俺はビールを飲み、
まあ俺の、いわば愚痴とやらに無理矢理付き合わせた。


「……赤司くんが珍しく呼んだと思ったら」

「まさかひとりの女に、それもあの娘のことだったとは」

「そりゃお前とアイツが恋人同士なんて思わないだろ。年齢的に」

「恋人じゃない!じゃない、けど……」


酔っているのか。
感情を表に出さないことは得意だったはずなのに、どうやら今は難しい。

とにかく嫌だったんだ。
俺が彼女の兄に見えるとか、兄妹に間違われるとか。


「彼女は良い子だよ。部屋はいつも綺麗で、毎日出される料理は美味い。
 不満もなにも言わずに毎日家事をこなし俺を笑顔で見送り出迎えてくれるんだ」

「……のろけか?」

「僕帰っていいですかね」

「まあ聞け黒子。
 確かに彼女は可愛いんだ。それはお前らも知っているだろう」


……ああ。相当酔っているのかもしれない。

「まあ見た目は悪くないどころか、ありゃむしろ恵まれてるだろ」

「年齢よりも大人びた感性も持ち合わせているのは知っている」


当直明けの緑間の目の下には疲れが浮かんでいる。
黒子はなにかネタになるのか、その手には手帳とボールペン。
青峰は頬杖をついて欠伸をしているからその足を蹴ってやった。

番外編*03 赤司side→←番外編*01 赤司side



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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・`)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です^^ これからもよろしくお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います!新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします! (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは!前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました(笑)今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…!お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛和 | 作成日時:2017年5月31日 23時

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