歪＊117 ページ37
「お隣、優しい人だといいんですけど……」
「俺はぜひ女であってほしいかな」
できれば既婚の。と付け足し、意味を問うように見上げれば、
未婚の男だったりしたらAを家にひとりで置いとけないなんて笑う赤司さん。
大袈裟なと苦笑を浮かべると同時に目の前の玄関扉が開く。
顔を覗かせたのは見覚えのある人物だった。
といっても、こちらが一方的に知っている。つまり黒バスキャラのひとりだ。
「……まさかここで会うとはな」
「いやなんでお前がここにいんだよ」
「ここがお前の部屋だと知っていたら……。
いや、それでもAが望んだから来ていたな」
「は？
……まさか昨日の引っ越し業者って」
「ああ、俺たちだ」
まじかよ、というように顔を引きつらせ、嫌悪感を露わにするその人は、
「受け取れ」と挨拶に持ってきた羊羹を差し出した赤司さんの隣にいるあたしを見ている。
「えっと……あっ！
初めまして！お隣に来ました、これからよろしくお願いします！！」
気だるそうな、それでいて鋭いその眼光に萎縮しながらも
なんとか挨拶をして頭を下げれば、「よろしくしなくていい関わるな」と赤司さんの声。
「……Aちゃん、だっけ？
こんにちは。羊羹は君が？」
爽やかな笑顔に、あたしの立場上からのうさん臭さを感じながら
肯定の意を示せば、彼は「ありがとう」と羊羹の入った紙袋を掲げて見せた。
きっと彼と初対面だったならこの笑顔に騙されてたことだろう。
いや間違いなく今日が初対面なのだけれども。
けれど彼、花宮真は、黒バスの登場人物だ。
彼の本性を知っているあたしとしては、これからの生活、非常に難しいかもしれない。
「ああそうだ。俺は花宮。
赤司とはちょっとした知り合いなだけだよ」
「もうお前戻れ」
「えっ、ちょ、赤司さん……！
花宮さん、よろしくお願いしますね！」
花宮さん、を強引に家の中へと押し込む赤司さんに戸惑いながら、
再度花宮さんに挨拶をすれば、彼は笑顔と共にその扉の奥へと姿を消した。
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小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・｀)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (
レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です＾＾ これからもよろしくお願いします！ (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います！新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします！ (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは！前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました（笑）今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…！お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛和 | 作成日時：2017年5月31日 23時
