歪＊104 ページ24
どうやら赤司さん、あたしがいなくなってから、
周りがどれだけ言っても仕事を休まず、食事もまともに摂らなかったらしい。
あたしのことは、家族の元へ帰ったと、半ば嘘でもないことで話が通っていたらしい。
「副社長の生活は荒れ放題で、そろそろお身体のほうも限界だったはずです」
というより、赤司さんでなければとっくに倒れているだろうと黛さんは話す。
そう言われて納得できるほど、赤司さんは見た目にも変化が表れていた。
「ですが貴方が帰ってきたのなら、もう安心ですね」
その表情は相変わらず真顔だけれど、声音のほうは安心しているように思う。
なんだかんだ彼も赤司さんを大切に思っているんだなと笑みを浮かべた。
「……黛、距離が近い」
途端聞こえた不機嫌な声にそちらを向けば、パソコンから目を離した赤司さん。
真っすぐに黛さんを睨むようにして見ている。
「別に普通だろ」
あたしもそう思う。
あたしは案内された、黒い革張りのソファに座っていて、
黛さんはソファの横に立っている、普通の距離感だと思う。
けれどそれでも、赤司さんにとっては近いらしい。
不満気な顔をそのままに、「ああそうだ」と彼はあたしに一冊の本を渡した。
「この後の会議時間、ひとりで暇だろう？
たぶんすぐ終わると思うけど、良かったら」
表紙を見てみればその本の著者は黒子さんのようで、「黒子の新作か」と覗き見た黛さんも言った。
「まあ、会社の中なら自由にしていていいから。
なるべく、部屋から出てほしくはないけどね」
冗談めかして言った赤司さんは、黛さんに何かの書類を渡すと、
再びパソコンに向き直ってキーを打ち始めた。
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小崎相良(プロフ) - こんばんは。とても楽しくて、一気に読んでしまいました。とても素敵な作品で、読み終えて少し寂しくなりました(´・ω・｀)赤司君サイドのお話が面白くて、家族の前で吹き出しちゃいました(笑)素敵な作品をありがとうございます。 (2019年2月11日 21時) (
レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - あかりんさん» こんにちは、納得がいかずに書き直してしまいました…ですがそう言っていただけて安心です＾＾ これからもよろしくお願いします！ (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
凛和(プロフ) - AUSさん» こんにちは。そうって頂けてとても嬉しく思います！新作、と言うわけではないのですが、もう一作練り直しながら再更新よろしければお願いします！ (2017年12月17日 13時) (レス) id: d63d138122 (このIDを非表示/違反報告)
あかりん(プロフ) - こんばんは！前回の作品も密かに読ませてもらっていた者です♪お気に入りに登録していたので、更新通知がまた来た時はびっくりしました（笑）今回の作品もとっても良くて感動的でした(;_;)終わってしまったのが寂しい…！お疲れ様でした(^-^) (2017年12月14日 0時) (レス) id: 95ac557a92 (このIDを非表示/違反報告)
AUS(プロフ) - ああ終わったのがすごい寂しい(..)本当にこの作品大好きで読み返しも結構しました!!大好きです!!もし新作を作るのであればそちらも楽しみにしています!!!!お疲れ様でした!!...本当にこの作品大好きです!!!! (2017年12月12日 20時) (レス) id: a37795c062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛和 | 作成日時：2017年5月31日 23時
