【進撃の巨人】孤独の果てには何がある？season２ 【男主】

ep46 「宝物」 ページ3

『……トロスト区奪還作戦、ねぇ……』


「……どうやって奪還作戦を……」


『作戦があるからこうやって俺達を招集したんだろ』


「そうなんだろうけど……しかもこれからって随分急だね」


『放っていても巨人が入ってくるだけだ、どうせやるなら今なんだろ』


多くの訓練兵、駐屯兵団が“トロスト区奪還作戦”のため集まっている。


正直人混みは無理なので、少し離れた路地でフレイと居た。


しかしトロスト区に行っても無駄死にとか

穴を塞ぐ技術がないから無理だとか不満を持つ者も大勢居た。


中にはここで死んでやるとか言う反逆者も居た。


『……奪還作戦とかは別にいいんだが、本当休みだけでも欲しいんだがな……』


「僕も思うよそれ……もう目の前で見てきた光景が離れられない………

　分かってたんだけど………人が目の前で死ぬのって、本当に辛いや……」


『………人が目の前で、死ぬか………』


ふと、無意識にペンダントに触れていた。


「……そういえばギルア、そういえばそのペンダントって、誰に貰ったの？」



『………記憶に無い、このブレスレットもペンダントもな』


「………え？」


赤や黄色、オレンジ色などの明るい色の太陽が付いたペンダント。

青や紫、黒などの暗い色の月が付いたブレスレット。


誰に貰ったか覚えていない。


思い出そうにも、そこだけ切り取られたかのようにその貰った記憶が無い。


でも……それでもこれだけは身に着けないと駄目だって思った。


『でも俺に自信を、勇気を、希望をくれている気がする』


「そっかぁ……んじゃあギルアにとっては宝物かな」


『………そうだな、俺にとっての宝物＿＿＿＿＿＿ッ……』



そう口にしようとしたら、またやってきた。


「……ギルア？どうかしたの？」


痛み、苦しみがやってきた。


「まさか……頭痛！？」


『ッ………イヤ………ただの疲れだ……気にするな』


口ではそんなこと言って誤魔化していたが、実際かなり痛い。


日に日に頭痛の痛みが増している気がした。


最近では目まいもする時がある。


「でも、無理は禁物だよ……疲れでも何でも無茶は駄目だ、ギルア」


『……分かってる、んなことぐらい』



でもいつか、自分には“限界”というものがやってくるんだと察していた。


いつかこの身体はボロボロに“壊れる”んだろうと、勘づいていた。

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