木槿のふたり (ページ37)

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とある年の雪の日ページ37

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その日のニューヨークは大雪で、予定してたパーティーは中止。クリスマスだってのに仕方がなく、一人でケンタッキーのチキンを食べていた。

「はあ……、圭太に会いたいなあ…」

ちょっとだけ泣きべそをかきながら、圭太との約束の時間よりちょっと早めに電話かけちゃえ！なんて心に決めて。

でも、何度かけても圭太は電話に出なくって、いつも電話がかかってくる時間を大幅に過ぎても、圭太からはかかって来なかった。

忙しいのかなぁ？もう！！クリスマスなのに！なんて、理不尽にぷりぷりしつつ、［お仕事頑張ってね］ってLINEを送り、眠りについた。

明け方、prrr....prrr....と電話の音で目が覚めた。

＊

「もしもし、圭太、どしたの…」
半分眠りながら電話に出た。

「A！？A！！圭太くんが…圭太くんがぁ…！」
「お母さん？」
電話越しのお母さんの声で何かとんでもない事が起きたことを知る。

「圭太くんが、今、病院にいて、事故で………」
「圭太はっ！？無事なの！？」
「救急車で運ばれてきた時にはもう…………うぅ…なんでこんなことに………」

"ガタンッ"

手から携帯が滑り落ちる。

圭太が……？
いや、まさか。

嫌な夢でも見てるんだ、きっと。

必死に自分を落ち着かせようと思っても、どうにも心臓がバクバクと早く脈打って。

「A？A…？」
電話の向こうからのお母さんの声が、遠のいていく………。

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