木槿のふたり (ページ14)

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意外な素顔ページ14

その後も打ち合わせは続き、世の中が寝静まった頃。

「～という感じで、進めてもらえると。じゃ、今日は解散ッ！お疲れ！」
「お疲れさまでーす！」

その日の打ち合わせが終了した。
と同時に、菜々のLINEを確認する。

［生まれたよー！元気な女の子です！］
［写真］

そこには、ほやっほやの赤ちゃんを抱いた目が真っ赤の先輩が写っていた。

「よかったぁ～…！」
心の底からホッとして、それからなんだかグッときてしまって。

「無事に産まれたみたいだね」

見てよコレ、と松本さんから渡された画面。

［先程マイエンジェルが無事誕生しました。激烈に可愛いです。世界一の親バカになります。］

「ふふっ、先輩浮かれてるな～」
「まあ、親バカになりそうなのは予想してたけど」

そう言って、松本さんと笑い合う。
なんだかんだ、嬉しそうに赤ちゃんの写真を見ている松本さんは、子供好きなのかも。意外。

「それと、先程のプロジェクションマッピングの件なんですけど…」
「ん？」
「前に一緒に仕事をしたチームがあって、もしかしたらお力になれるかと思って…」
「マジ？それ結構強いな、現時点でほんと当てもなかったからさ。詳しくいい？」
「今手元にその時の資料がなくって、イメージ図なんですけど、こんな感じで…」

そこからは、そのチームがもつ様々な技術についてだったり演出の可能性について色々と話をした。
流石に手元に限られた資料しかなくて、いくつかは宿題にさせてもらったけれど…。

「うわっ、もう4時だ、ごめん流石に引き留めすぎちゃった」
「全然、明日は土曜日なので。松本さんは大丈夫ですか？」
「俺は今日昼過ぎからだし、8時くらいには終わるから全然」
「忙しいんですね…」

こんな4時まで働いてお昼には出るって、もう目が回るほどのハードワークだ。
ちゃんとごはんとか食べているんだろうか…？

「そういえば、Aの家ってどこらへん？」
「あ、私〇〇です」
「同じ方面だから乗っていきなよ、危ないし送る」

その後遠慮してもなかなか折れてくれない松本さんに根負けして、タクシーで送ってもらうことになった。