眠気は何にも勝る-2 ページ5
馬車に揺られ、ドラコは隣に座るAの顔を、チラリと盗み見た。変わり者な少女は、ボーッと窓の外を見ている。その横顔に小さな違和感を感じ、彼は問いかける。
「トコハ、君、少し雰囲気が変わったか？」
「え？」
「いや、何と言うか……………垢抜けた…？」
「？？？」
言っているドラコも、言われているAも、互いによく分かっていない。
けれど彼の認識は、決して間違ってはいなかった。13歳を迎え、日本では中学生年齢に突入した彼女の容姿は、だんだんと幼さが抜け始めている。数年後には、美しく成長するかもしれない。
とは言え、別にそこで恋が生まれたりする訳でもなく。平穏に、馬車はホグワーツ城へ到着した。
「トコハ！あなたは大丈夫だった！？」
「え、待ってごめん、何が？」
「何って、吸魂鬼よ！」
ハーマイオニーと合流し、開口一番に心配の言葉を投げかけられるも、頭の上に浮かぶ大量の疑問符。
「………たぶんわたし、寝てた」
「…………………あなた、将来は大物になりそうね」
寝ていた。正直にそう答えたAに、ハーマイオニーは一生懸命、笑顔を作った。あなたの危機管理能力はどうなっているのかしら、と口に出すのを我慢するのは、とても大変な作業だった。
その後、大広間に着くや否や、ハーマイオニーはハリーと共に、マクゴナガル先生に連れられて行ってしまった。
Aがぽつんと座っていると、新入生が入場して組分けが行われた。微塵も興味が無いので、彼女は全スルーした。
組分けが終わり次第、ダンブルドア先生によるお話。
吸魂鬼に関する説明後、新しい先生が紹介された。
「うれしい事に、新任の先生を二人、お迎えすることになった。まず、ルーピン先生。「闇の魔術に対する防衛術」の担当をお引き受けくださった」
パラパラと起きる拍手。
くたびれたローブの彼、ルーピン先生を見て、Aは直感的に思った。
「(今年はマトモな予感がする！！！)」
大正解である。
もう1人の先生は、退職したケトルバーン先生の代わりに、「魔法生物飼育学」の後任としてルビウス･ハグリッド。これにはグリフィンドール生を中心とした多くの生徒が、盛大な拍手を送った。
話が終わると、食事が現れる。
3年目、だんだんこの味に慣れてきたAは、今日も今日とて無感情で食べ進めていくのであった。
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一般市民B(プロフ) - お待ちしてました！！イケメンのコミュ力パネェ…更新頑張ってくださいね！ (2022年2月8日 18時) (
レス) @page10 id: aa0bfcf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
CHIA(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも頑張ってください(￣^￣)ゞ (2021年9月4日 15時) (レス) id: a32ddc8099 (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 続編おめでとうございます！凄く面白かったです！更新頑張ってください!おめでとう (2020年11月8日 22時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆りんりん♪ | 作成日時：2019年8月4日 2時
