選択科目-2 ページ7
ハグリッドの引率で放牧場っぽい場所へ移動すると、ハグリッドが生き物を連れてきた。頭を含めた上半身は鳥、下半身は馬みたいな見た目のそれは、ヒッポグリフ。ハグリッド曰く、名はバックビークと言う。
誇り高い生き物だから侮辱しないこと。数秒間目と目を合わせ、こちらがお辞儀してお辞儀を返してくれたら触っても良いこと。
説明されて怖気づいたのか、皆後ろに下がってしまった。すると、怖気づかなかった数少ないメンバーのハリーが、柵を乗り越えて進み出る。
彼がバックビークにお辞儀をすれば、しばらくの沈黙の後、バックビークはゆっくりとお辞儀を返した。
「やったぞ、ハリー！撫でてやれ、ほれ！ハリー、こいつはお前さんを背中に乗せてくれると思うぞ」
大興奮のハグリッドがハリーをバックビークの背に乗せ合図すると、バックビークは大きく飛び上がる。少しの間空を飛ぶと、彼らは戻ってきた。
ハリーが離れると、動物大好きなAはすかさず次に立候補。
「がんばって！」
「ありがと」
ハーマイオニーの応援の声を背に、彼女はお辞儀をする。バックビークは、即お辞儀を返してくれた。撫でてやると、積極的に擦り寄ってくる。
「(か、かわいい〜〜〜！！！)」
顔には出ないものの、内心悶えるAであった。
「さあ、お前さん達も練習してみい！」
ハグリッドに促され、皆が並ぶ。Aは渋々、かなり名残惜しそうに離れた。
さて、ドラコの番。お辞儀を返してもらうまでは順調だった。
「簡単じゃないか。お前全然危険なんかじゃないなぁ？そうだろう？醜いデカブツの野獣くん」
ドラコ、案の定やらかした。
＜醜い、だと？小僧、貴様…！＞
大激怒したバックビークの声が聞こえることを、相変わらず疑問に思うでもなく。振り下ろされる長く鋭い鉤爪とドラコの間に、Aは一瞬の躊躇いもなく、体を滑り込ませた。
ザクッ、と嫌な音。
「(あ、右腕死んだな)」
右腕の、特に二の腕辺りがカーッと熱くなるのを、Aは冷静に理解した。鉤爪は、刺さるように抉るように、彼女の腕に深い傷を作っていた。痛過ぎて痛覚がバグったのか、痛みはない。
彼女はそっとバックビークに腕を伸ばし、抱きしめて撫でる。
「ごめんね、わたしの友達が酷いことを言って。君は美しいよ。醜くなんてない」
＜そんなことより、腕が、＞
「大丈夫、大丈夫。ぶっちゃけあんまり痛くないもん」
彼女がニッコリ笑ってみせれば、バックビークはどうにか落ち着いた。
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一般市民B(プロフ) - お待ちしてました！！イケメンのコミュ力パネェ…更新頑張ってくださいね！ (2022年2月8日 18時) (
レス) @page10 id: aa0bfcf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
CHIA(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも頑張ってください(￣^￣)ゞ (2021年9月4日 15時) (レス) id: a32ddc8099 (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 続編おめでとうございます！凄く面白かったです！更新頑張ってください!おめでとう (2020年11月8日 22時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆りんりん♪ | 作成日時：2019年8月4日 2時
