夢を元にした日本人がホグワーツで愉快に過ごす話～賢者の石篇～ (ページ9)

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授業じゃ授業じゃ-5（魔法薬学）ページ9

「カザマ」

すると何故か彼の矛先は、次にはAに向けられた。

「はい」
「現在進行形で教科書を読んでいる君は、分かるか？」
「………もしわたしが答えられたら、長い間挙手してるハーマイオニーに、ちゃんと点数をあげてくれますか？」

挙手している人間を無視し、自分に聞く意味が分からない。余程グリフィンドール勢を攻撃したいのだろうか。
彼女は若干の苛立ちを隠さず、交渉した。正しく答えられたら、理解している人間には正当な評価を与えて欲しいと。

「…良かろう」
「ありがとうございます」

言質は取った。

「アスフォデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬になります。けど、強すぎる薬効のために「生ける屍の水薬」と言われています。
ベゾアール石は山羊の胃から取り出す石で、大抵の薬に対する解毒剤になります」
「……………モンクスフードとウルフスベーンとの違いは？」
「モンクスフードとウルフスベーンは同種の植物で、別名をアコナイトとも呼ばれていますが、要するにトリカブトです」

早々に予習の効果は発揮された。

「………グリフィンドールに5点与える」

喜ぶグリフィンドール勢。スネイプ先生は苦々しい顔である。

くだらない問答が終わると、生徒は2人ずつ組になり、おできを治す簡単な薬の調合をさせられた。

「さっきはありがとう、トコハ」
「どういたしまして」

組んだ相手はハーマイオニー。早速お礼を言われ、そういうつもりでああしたのではない彼女は、素っ気なく返す。
もともと優秀なハーマイオニーと組んだのもあって、彼女たちの薬は1番に出来上がった。

魔法薬学の授業は、グリフィンドールの生徒が失敗した以外は、無事に終わった。

「(あ～悪目立ち再び…)」

唯一、目立ちたくない思考のAの精神が全然無事ではなかったのは、内緒の話。