夢を元にした日本人がホグワーツで愉快に過ごす話～賢者の石篇～ (ページ18)

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クィディッチ-2 ページ18

「おお、これは酷い」
「暢気に観察してる場合じゃないでしょ！？」

のほほんと感想を述べれば怒られた。怒りついでにハーマイオニーは、勇ましく席を立つ。

「ちょっと席を外すわね」
「どこ行くの？」
「犯人のところよ！」

怒り心頭のハーマイオニーが急ぐ先は、方向的に見てスリザリン。彼女の双眼鏡を拝借してそちらを見ると、なるほど、スネイプ先生が口を動かしているのが見えた。

「(けど、それだけで彼を犯人として特定するのは、短慮に過ぎるんじゃないかな…)」

静かにそう思うAの目は、すでにスネイプ先生を外れている。今彼女が見ている先にいるのは。

「(間違いなく頭の良い子なんだが、どうにもスリザリン方面に、的を絞り過ぎてるね)」

ターバンを巻き口を動かす男性教師。そう、クィレル先生だ。
イジメという至極一方的な人間のくだらなさを昔経験した彼女にとっては、偏った目でものを見ることは、愚行でしかない。

「ダメだなぁ、せっかく賢いのに。もっと平等に公平に、平坦な目で判断してこそ、正しい結果は出るんだよ」

小さくため息を吐いて呟くAは、スネイプのローブが発火し、同時にハリーの箒の暴走が止まるのを観察し続ける。自分の独り言が、まさかロンに聞かれているとは露知らず。

試合は無事に終了し、グリフィンドールが勝利を掴んだ。