紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅳ (ページ42)

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Aside

悟を追いかけた私は
ふらつく悟が倒れて
呪霊の攻撃が当たる寸前で
結界を発動した

、、間に合った、

悟の呪力のぶれ方が尋常じゃないのを感じ
反転術式を回しながら
目の前の呪霊を祓った

そのまま家に飛んで
ベッドに寝かせる

伊地知さんに連絡を入れて
ずっと付き添わされていた伊地知さんも
今日休みと言い渡した

目の前の悟は苦しそうに呼吸を繰り返していて
触れた額は熱すぎた

気持ち程度しか楽にはならないと思うけど、、
反転術式を解かないまま

冷たいタオル、氷、冷えピタ、、
あとは、、氷枕、
思いつく限りを用意して
寒そうに震えている悟に毛布やらを掛けて
汗を拭う

冷たいものをあてていくと
少しだけ落ち着いてきた悟に
これしかないと思った私は
口移しで薬を飲ませた

久々に触れる悟の唇は
熱すぎて
一瞬よぎった先日、、
といっても一か月以上前の記憶に
一人で勝手に恥ずかしくなった

暫くして、薬が効いたのか
呼吸が落ち着いてきて
眠りが深くなったのを見計らって
結界と反転術式はかけたまま
自分に割り振った任務を終わらせる

結界の中の悟の呪力にずっと注意しながら
少しでもそこがブレれば
きっと目が覚める合図
その時は隣にいたい

その日分の任務を終わらせて
速攻家に帰る

覗いた寝室では
変わらず悟が眠っていて

汗をかいている首元を
冷たいタオルで拭った

起きる気配がないこのうちに
シャワーを浴びて
おかゆを作る

婚約者の人には知らせなくていいのかな、、
ふと気になるが、
起きたらスマホを渡してあげようと思い至り
次の薬を準備した

久々に開けるうちの冷蔵庫は
ほぼ飲み物
きっと悟はこの家に
寝るためだけに帰ってたんだなとわかる

ふと悟の呪力に動きがあって
寄り添ってまた汗を拭ってあげると
綺麗な蒼と目が合った

明らかに嫌そうに私を拒絶する悟に
悲しくなる、、
帰れと言われて、
やっぱここもう私の家じゃなかったんだって
頑張って強気でいたいのに
心は悲鳴をあげていた

気づくと悟が起き上がろうとしていて
咄嗟に止めた
まだ熱が高すぎる
薬だけ飲ませて、もう一回寝たほうがいい

必死に抑えてるけど
咳込みそうになってるし
寝ている時より、また呼吸が荒くなっている
喋りながらも息も絶え絶えで
食欲なんかあるわけない

薬を差し出せば毒を疑われた
悟さっき飲んでたけどね

絶対飲ませなきゃ
そう思って、口移ししてやった
二度目なんだよ、悟

驚く悟に、強気になる
絶対ひとりにしないから。