紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅳ (ページ28)

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自分にはソーダ味のアイスを買って
みんなの分も買ったカップアイスを袋にぶら下げて
合流すると

「よぉA」

ニコニコ手をあげる龍
胸ぐらを掴まれて
こちらに顔を向けるその頬は、
赤く腫れあがっていた

「A、こいつ知り合い？」
龍の胸ぐらを掴みながら
もう一発入れようとしている
メンバーの腕を掴んで止めた

『うん、私のお兄ちゃんみたいな人、大丈夫だよ、ありがとう』

「まじ？悪かった」
そう言って掴んでいた手を離す

「いやあ元気なこった。A、元気？」

『元気。』

「そ、じゃ、俺行くわ。」
ヒラヒラ手を振って歩き出す龍。

久々にあった呪術界関係の人。

何しに来たんだろ
たまたまかな

『みんな、アイス買ってきたの、あげる。』

「まじ！？さいこー！」

いつものたまり場でアイスを食べた

頭も冷えたところで
一人が背負っていたギターケースから
ギターを取り出し、弾きだす

え、めっちゃいいイントロ
使いたいな、

そんなことを考えていると
ふと知っている呪力を感じた気がした

気のせいか、、

感想を聞かれて、よかったと伝えると
さっきの龍のことを謝られた

みんなは私を守ろうとしてくれる
プラスちょっと手荒いからああなっただけ
龍も、避けようと思えば避けれた
敢えて避けなかったな

帰らないのか聞かれたけど
正直帰る家がない
悟と婚約者の人があそこに住む気がする
悟はまだあそこに住んでるし

新しい家を買おうにも
そんな気にもならないんだよね

そう答えようとしたら
ふいに感じた悟の呪力

みんながいるから下手な動きはできない
迷っている間に
視界のない左から腕を掴まれた

速すぎる、、

取りあえず、話ならみんながいないところのほうがいい

すんなり着いてきてくれる悟を
下の階に連れてきて
要件を聞いた

悟に言われた"逃げてる"って言葉が
平静を努めていた私の心を
一気に大荒れにした

何逃げてるって
私は私のできるやり方で
悟の見えないところで
でもできる限り悟の力になれるようにっ

逃げてないなら目を合わせろと言われて
顔をあげた

この蒼を見たら
なぜか泣いてしまう気がして
見たくなかった

目が合って私の紫紺の瞳が映って
絶対交わることのない私たちが
眼だけ交わることが切なすぎて
近づいてくる悟から
俯いて逃げた

ってか今キスしようとした？

悟、キスの意味、分かってるのかな
やっぱり悟にとって
私はただの子供で
いつまでも子供で
隣に立てることは、ないんだ

わかってるよ、、