紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅳ (ページ21)

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あれから半年、
まじでAに会えない。

だが、いつも確かに気配はある
任務先にも、恵の家にも
残穢は残っている。
それだけで、今日も生きていることに安心する。
存在を感じるだけで安心するようになった
自分の適応力に呆れる。

硝子とは文通のようなものをしているらしい。
定期的に硝子はガラス瓶に入った飴を
デスクに置いておく

ある日気づくと、ガラス瓶がなくなっていて
代わりに酒やらつまみやらと
メモ書きが置かれているそうだ

「"しょうこねえ、ありがとう。またね。"だってさ、直接言えっての。」
それでもこのやりとりをやめないのは
硝子もこうして感じられるAの存在に
安心しているからだろう

「もう半年以上会えてない。まじで、なんのために毎日働いてんのかわかんなくなるよ。」

「そう言うな。Aは、ちゃんとこの世界を諦めてない。少し反抗期があったっていいじゃないか。」
反抗期、か。。

「反抗期…ね。戻ってきたらマジビンタだな。」

「できないくせに。」

「まあね。」
鼻で笑われた、
まあできないけど。
会ったら…まず、抱きしめる
潰れそうなほどに抱きしめて、もう絶対に離さない
死んでもその手を離してやんねぇ

ガラガラっと扉が開き、懐かしい人物が顔を出した

「兄貴！と、姉貴も！ここにいたんすね！探しましたよ～」

「久しぶり～」
「龍じゃん。久しぶり～」
龍にもAのことは話していて
何かあったら教えてもらうように伝えてある

「その頬、どうした？」
硝子があることに気づき、龍に聞く。
こいつは呪具師という仕事柄
腕から手にかけては傷跡が目立つが
今は右の頬に殴られたような跡があり
赤くなっていた

「ちと喧嘩になりまして…」
「こっち来い、冷やしてやるから。」
すんませんと言ってこちらに近づいてくる龍から
僅かにAの呪力を感じた

「Aに会ってきただろ。」
ピクリとして一瞬足を止める龍

「さすが兄貴。実はその件で、。はぁまったくあいつ何考えてんだか。」
硝子に手当をしてもらいながら事の顛末を聞く

「あいつ、最近非術師の不良みたいなやつらとつるんで、よく街で遊んでるんすよ。悪い奴らじゃないのは知ってるんすけど、様子伺おうと思って、たまたまそいつらがいたからAのこと聞いたら、殴られて。まあ、Aが止めてくれたんすけど。。」

「は？」
まじな反抗期かよ。しかもヤンキーデビューかよ。

「それどこ。」

「渋谷っす、え、ちょっ兄貴？」
俺は渋谷に飛んだ。