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恵に話があると呼ばれ
久々に恵の家に足を踏み入れる
まじで、何年ぶりとかになりそうだ
それだけAに任せっきりだった
「来たよー」
小さい玄関を開けると
ふつーに片付いている部屋
キッチンには、
Aが料理の作り置きを入れるタッパーが見える
やっぱ来てるな
「ん？津美紀はいないの？」
「まだ学校。」
「Aは？最近来てるー？」
事情をまだ話していないため
それとなく確認する
「、、。その件で、話が」
ん？なんだ、俯いて、暗いなこいつ。
元々暗いやつだけど。
「なに？聞くよ。」
リビングの椅子に腰掛けた
「、、Aに、どこまで聞いてますか」
「ん？授業参観行ったのは聞いたけど？」
「っ、その、後のことは？」
「その後のこと？他になんかあったっけ？」
その後行事はなかったはずだ。
そのあと、恵から、聞いたのは
恵が喧嘩を繰り返し
Aが何度も学校に呼び出されたこと
最後に呼び出された時
Aがきっかけで喧嘩が起きていることが分かり
もう学校には行かないようにした方がいいかと聞かれ
うん と返事をしてしまったこと、、
は、、？んだよそれ
言えよA、
なんで言わねぇんだよ、、
「で、恵はそれ、後悔してんだ。」
「本音じゃなかった。Aが、笑ってたから、学校来なくなるだけで、本当になんにも変わらないと思ってた。でも、あれから、、」
「A、2人を避けてここに来てるってわけね？」
こくりと頷く恵。
はぁ、、、
まじで、行っときゃよかった
背負わせすぎたな
あの日の涙の理由も
わかった気がした
悔しかったんだろうな、
自分のせいで。
しかも見た目のこと、
小学校ならではだな
Aと学校関連の年間スケジュールを見た時の
あのワクワクしたような表情を思い出す
「今、学校では？」
「最後、Aが相手の子供を泣かせて、それが広まって、誰も何も言わなくなった。」
「ならよかった」
牽制もしたか
Aらしい
「恵、Aが来たら、頑張って起きて話しかけな。それしかないよ。自分の撒いた種は自分が回収するんだ。花が咲くなら摘むのは自分、咲かなかったらそっと回収するのも自分。そこに他人は力になれない。」
自分に言い聞かせるようだ
「ま、僕も実は最近Aに会えてなくてさ。会えたら、謝りたいことがあるんだ。お互い、ちゃんと謝ろう。」
傷付いたよな、A。
タッパーを勝手に開けて摘んだクッキーは
久々に食べるAの味がして
鼻の奥がツンとした
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月19日 0時
