病室で ページ9
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『……ん』
太陽の光が、眩しい。
何かに寝かされているのか…?
目を覚ますと目の前に広がっていたのは
知らない天井…
ではなく、
よく知る二人の友達の顔だった。
「…千代!!」
「千代ちゃん!!」
『!?』
起き上がる間もなく、炭治郎と善逸に覆いかぶさるように抱きしめられた。
く、苦し…
抱きしめ返そうにも手足が痺れて思うように動かせない…泣きたい。
『え、えっと…二人とも…?』
「「うわぁぁぁ!!良がっだぁ!!!」」
『うぐっ!?』
両側から、ぎゅぅうと腕の力を強められ、
それからしばらく離れてくれなくて…
二人とも涙と鼻水で顔ぐちゃぐちゃだし、
泣きすぎてもう何言ってるか分からないくらいだった。
心配かけちゃったんだなぁ、と申し訳なくなってしまう。
両側から感じる炭治郎と善逸のぬくもりが心地良くて、生きてるんだと改めて感じた。
隣のベッドには何故か元気はないが伊之助もいる。
みんな生きてる。良かったぁ…。
すごく安心した気持ちでそのまま目を閉じた。
いつまで三人でくっ付いていただろうか…
もう夕方だ。
気付いたら私はそのまま寝てしまっていたようで、炭治郎と善逸が私を抱きしめたまま眠ってしまっていた。
三人とも怪我がひどい。
…私も人のこと言えないか。
ここは誰かの屋敷?
複数人…人の気配がする。
恥ずかしい。この状況は…なんて説明すれば?
誰かきたらどうしよう。
…ああ、だんだん暑くなってきた。
気持ちよさそうに寝ている二人を
無理やり起こすのも…
私を心配してくれて、こうなったわけだし…
困った。
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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時