胡蝶姉妹 ページ13
「チュン!チュンチュン!」
『そうそう!いやぁ、すっかり痺れも取れてね〜』
蝶屋敷の縁側に一人の女の子がいた。
この前、運ばれてきた、師範やアオイたちが言っていた子だ。
『私のこともしのぶさんに話してね、柱の皆さんやお館様って人に伝えてくれたの。受け入れてもらえたみたいで安心したよ〜』
「チュンチュン」
確かとても珍しい稀血だって師範が言っていた…
さっきからここには誰もいないけど…
あの子、ずっと雀と話しているの?
そんな私もずっと陰から見ているけど、
もうあの子可愛い…///
『あとは足の傷の跡が残らないか、みんなに心配されるんだ』
「チュン?」
『そう。炭治郎も善逸も伊之助も心配し過ぎなんだよね〜』
「チュンチュン」
『え?みんなにあんまり心配かけちゃダメだって?分かってるよチュン太郎』
「チュンチュン、チュン」
『うん…そうだね。私さ、みんなを守れるくらい強くなりたいんだ』
「チュン!」
『ありがとうっ』
笑ってる…
か、可愛い…なんて可愛いの?
ど、どうしよう…
…
『そ、それとね…!カナヲに一つお願いがあるんだけど、聞いてくれる?』
あれから隠れていたのがバレていたみたいで、声をかけられた。
千代が私に心のままに生きると教えてくれた。
「うん…私で良ければ…」
『!…あ、あのね、カナヲが嫌じゃなければ、私と友達になってほしいの!』
友達…私と千代が友達…
「嫌じゃない。…嬉しい」
私も千代と仲良くなりたい。
『ありがとう〜』
それからしばらく千代と話した。
こんなに楽しく誰かと話したことあったかしら…
千代は不思議な子だと思った。
最初は、少し控えめだったけど、どんどん私の中に入ってきて、私の考えていることが分かるみたいに話をしてくれる。
もっともっと千代のことが知りたい。
もっともっと仲良くなりたい。
私にも誰かに対して、こんな風に思うことがあるなんて…
これが、心のままに生きるってことなのかな?
ぴゅんぴょん無邪気に跳ねたり、不思議そうに首を傾げたり、優しく笑ったり、恥ずかしがったり…可愛かったなぁ、千代。
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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時