雪の少女は鬼を狩る【鬼滅の刃】 (ページ4)

今日:22 hit、昨日:7 hit、合計:99,952 hit

出会いページ4

ーーーー
ーーー
翌朝
鱗滝さんから、姉弟子に挨拶してくるよう言われた。

歳は俺と変わらないが、なんでもすごく人見知りで初めての人が来ると恥ずかしくて隠れてしまうという。
きっかけさえ掴めれば、打ち解けることができるはずだとのことだった。

確かに誰かの匂いはしていたのに、
一度も姿を見れていなかった。

どんな人なんだろう。

「あ…」

昨日からずっと気になっていた匂いを辿ると木の下に白い羽織りを着た一人の女の子がいた。

その子を見た瞬間、目を奪われた。

白く波打つような長い髪に
優しい紅い目をしていた。

小鳥達が彼女の周りを飛びまわり、手から餌をもらって嬉しそうに鳴いている。

微笑む彼女からは、少し儚げな優しく甘い匂いがする。
嗅いだことのないその匂いになぜか惹かれてしまった。

「チュン！」

ふと一羽の雀が俺の近くで鳴いて、ハッとした。

ボーッとしてた…
見惚れてしまっていたのか…

そうだ！なんて声をかければ…
うーん、まだ朝だし…

「おはよう！！」

ビクッ

『……お、おは、よう』

なんとぎこちない挨拶だろうか。
ーーー怯えた匂いがする。

『あ…』

彼女をびっくりさせてしまったからか、小鳥達が飛んでいってしまった。

今度は少し寂しそうな匂いがした。

「わああ、ごめん！」

『だ、大丈夫…』

「ごめんな？俺は竈門炭治郎！君は？」

『っ、炭治郎…。わ、私、亜月千代』

「千代！いい名前だなぁ！よろしくな！」

『…うん、よ、よろしくね？』

手を差し出すとおずおずと手を握り返してくれた。

その手は少しひんやりしている。
冷えたのかな？

「ああ！よろしく！良かったぁ、話してくれて！昨日は挨拶出来なかったから…」

『ご、ごめんねぇ…私、えと、早く挨拶したかったんだけど…なかなか出来なくて…』

あわあわと言葉を伝えようとする千代がなんだか可愛くて思わず笑ってしまった。

「大丈夫だよ！千代が人見知りなのは、鱗滝さんから聞いてる。俺が山下りをしている間、禰豆子を見ていてくれてありがとう」

『…っ』

(なんてあったかくて優しい気の流れなんだろう。炭治郎は…他の人とは少し違うのかな？)

『うんっ』

「…///」

ふわりと微笑む千代は、すごく綺麗で可愛らしかった。

【コソコソ噂話】
それから千代さんは炭治郎とは少しずつですが、普通に話せるようになりました。
それを鱗滝は、二人をあたたかい目で見守っていたらしいですよ？