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初めての仕事 ページ17

ーーー鴉から指令が入った。

鬼狩りとしての初めての仕事だ。

炭治郎と一緒で良かった…

『鴉の話では北西の町で毎夜少女が消えているって言ってたけど、この町かな?』

「そうみたいだな。女の人が消えるなんて…、
千代も気をつけるんだぞ?」

『私は大丈夫だよ〜』

相変わらず心配性だなぁ。

でも女の子ばかりが狙われているなんて…

並んで歩いているとふらふらとした足取りで
一人の男性が通り過ぎて行った。

「ほら、和己さんよ。可哀想にやつれて…」

「一緒にいた時に里子ちゃんが攫われたから」

「毎晩毎晩気味が悪い」

「ああ、嫌だ。夜が来るとまた、若い娘が攫われる」

町の人は口々にそう言っていた。

ふと炭治郎と目が合い、お互いうなづいて男性を追いかけた。

「和己さん!ちょっとお話を聞きたいのですが、いいですか?」


ーーー


「ここで里子さんは消えたんだ。信じて貰えないかもしれないが…」

「信じます!信じますよ!!」

やはり鬼の仕業か。

痕跡を辿るため、地面の匂いを嗅ぐ。

『どう?』

「微かに鬼の匂いはするけど、斑な感じだ…。
千代は、どう思う?」

鬼の気の流れを感じることができる千代なら俺よりも何か気づくことがあるかもしれない。

『ん〜、空気中に漂う鬼の気配が異様に少ない。どこか見つからない空間に身を隠しながら人を攫っている可能性もあるね』

「異能の鬼か!」

コクリと千代はうなづいた。

『あ、あの、里子さんがいなくなったのは…あなたのせいじゃありませんよ』

「!!」

『余所者の私が偉そうなことは言えませんが…自分をそんなに責めないでくださいね』

「………」

千代が優しく声をかけると和己さんは何も言わずに下を向いていた。

千代も知らない人と話せるようになってきたなぁ…と感動しているともう日が落ち始めていた。

『夜になるまで待つしかないね』

「そうだな。千代は絶対に一人になるな」

『だから、心配しすぎだって!』

「いや!どんな能力かもわからないんだぞ!」

「仲が良いんだな…」

和己さんがポツリと呟いた。

「はい。友達ですから!」

俺がそう答えると、千代は嬉しそうにふわりと笑った。

その笑顔を見ると、千代を失いたくない。

前より強くそう思うようになった。

絶対に俺が守る…!!

沼鬼→←色変わりの刀



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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月28日 16時

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