色変わりの刀 ページ16
ーーー十五日後
刀が届いた。
刀を打って届けてくれたのは
鋼鐵塚さんというらしい。
何やらずっと玄関先で炭治郎に話しかけ続けていたが、やっと家の中に入ってくれた。
第一印象は、ひょっとこ面のよく喋る風鈴の人。
「さあさあ、刀を抜いてみなぁ。一人ずつだぜぇ」
うねうねと腕を動かしながら、鋼鐵塚さんは刀を渡してくれた。
「日輪刀は別名色変わりの刀と言ってなぁ。持ち主によって色が変わるのさぁ」
炭治郎が刀を抜くとみるみる色が変わっていった。
「おおっ」
『わぁ…』
「黒っ」
「黒いな……」
真っ黒だぁ。
「えっ、黒いとなんかよくないんですか？
不吉ですか！？」
「いや、そういうわけではないが…。
あまり見ないな漆黒は」
「キーーーッ！俺は鮮やかな赤い刀身が見れると思ったのにクソーーッ」
さっき赫灼の子と言っていたからだろうか。
急に鋼鐵塚さんが炭治郎をボカボカと叩き始めた。
「亜月千代！お前も抜いてみなぁ！」
『は、はい！』
いつの間にか戻ってきた鋼鐵塚さんに促され、ゆっくりと刀を抜いた。
みるみると色が変わって…
色が、…色？？
透き通るような透明な刀になった。
『きれい…』
「氷みたいだなぁ」
『うん』
「驚いた。透明な刀は、初めて見たな」
「キーーーッ！今日は珍しい色ばっかりじゃねぇか。どうなってんだ、鱗滝！」
「さぁな」
【コソコソ噂話】
刀が届くまでの間、禰豆子は千代が事あるごとに自分の頭を撫でたり可愛がってくれるので、大変よく懐き、着いてまわったり、抱きついたり、ムームー話をしようとするので、炭治郎はいつもそれを微笑ましく見つめているらしいですよ？
「禰豆子は本当に千代のことが好きだな」
「ムー♡」
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作者名：りんらん | 作成日時：2020年9月28日 16時
