最終選別 ページ13
ーーー
入り口で炭治郎と別れた。
不安だったけど、炭治郎が背中を押してくれた。
大丈夫…絶対に生き延びるんだ！！
さあ、鬼が出るか蛇が出るか…
関係ない…！！
「久方振りの人肉だァ！！」
敵を斬るだけ！
大事なものを守るために！！
『全集中…雪の呼吸 壱ノ型 氷柱斬り』
鬼の頸が…斬れた。
鬼に勝てた。
強くなってる……
鱗滝さんにもらった刀で頸を斬った鬼はボロボロと骨も残らず消えてしまった。
成仏してください。
どうか今度生まれてくる時は、鬼になんてなりませんように。
ーーー
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…！！
俺なんかがこんなところで生き残れるわけ…
無理無理無理！！
怖すぎて木に隠れてたのに、こっちに誰か来た！！
でも足音がしない…！？
ひぃぃい！！鬼ぃ！？幽霊！？
あれ？…お、女の子！？狐の面…
まずいよ！複数の鬼の音が近づいてくる！
このままじゃあの子が！！
「！」
あの子は刀を抜いたまま、鬼が来る方をじっと見つめている。
ーーーなんだ？気配が、あの子の気配が変わった…？
それに周りに漂い出したこの冷気は一体…
「人間の娘ェ！女の肉だァ！！」
「他の人間よりもうまそうだなぁ！！」
「こいつまさか稀血かぁ！？最高のご馳走だぜェ！！」
「俺の獲物だぞ！」
「黙れ！！」
「貴重な稀血の獲物！誰にも渡さねぇ！！」
「先にやった奴が喰えばいいだろうが！！」
鬼達は彼女を取り囲むように襲いかかった。
『……急いでるの。邪魔しないで。
全集中…雪の呼吸 肆ノ型 華雪風巻』
「…！！」
あの子がその場で体を捻り、回すように刀を振ると、
その周りに冷たい風が激しく渦巻き、
氷の花吹雪が鬼達をバラバラに斬り裂いた。
なんて強く可憐なんだ…
思わず見入ってしまった。
入る隙もないほど見事な一撃。
キラキラと光る氷の結晶に包まれるあの子は、顔は見えないけど、すごく綺麗だった。
「あれ？いない！」
俺が気づいた時には、もうあの子はいなくなっていた。
また会えるかな…？
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作者名：りんらん | 作成日時：2020年9月28日 16時
