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出発 ページ12

ーーー

髪を整え、部屋を出ると鱗滝さんがお面をくれた。

『狐の面…』

厄除の面という悪いことから守ってくれるそうだ。

俺の面には太陽の模様、千代の面には雪の結晶のような模様が彫られていた。

『すごいこれ!顔につけても見えるよ!』

さっそく面を顔に当て、少し興奮気味で話す千代に俺も鱗滝さんも笑ってしまった。

『もう!二人ともそんなに笑わないでよぉ』

そしてまた恥ずかしそうに面で顔を隠した。



「鱗滝さん行ってきます!錆兎と真菰によろしく!」

『行ってきます!』

錆兎と真菰には本当に世話になった。
千代も俺と同じく、二人にクセを直すのを手伝ってもらったり、剣撃の稽古をしてもらったらしい。

「千代、その面気に入ったのか?」

『うん!』

本当に嬉しそうに面をつけたり取ったりしている。
可愛いなぁ…

「顔につけたままじゃ、千代の顔が見えないぞ?」

『ハッ!炭治郎…これ、これ付けてたら知らない人が来ても恥ずかしくないかな!?』

「いや…それはどうだろう」


そんなことを話しながらしばらく歩き、
最終選別が行われる藤襲山に到着した。


「すごい。藤の花がこんなに…」

『咲く時期じゃないはずなのに…』

藤の花に囲まれた階段を登ると
そこには20人くらいの人達が怖い顔をして揃っていた。

こんなにいるのか…。あれ?千代?
狐の面をつけながら人の多さに驚いている。

「大丈夫か?」

『う、うん…大丈夫』

黒い髪と白い髪の女の子が説明を始めた。

「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込められており、外に出ることはできません」

「山の麓から中腹にかけて、鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」

「しかし、ここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります。この中で七日間生き抜く」

「それが最終選別の合格条件でございます。では行ってらっしゃいませ」


(七日間も鬼がたくさんいる山の中で生き残る…だ、大丈夫かな…)

ぎゅ
不安そうな匂いがして隣にいた千代の手を握る

「千代、大丈夫だ!俺にも言ってくれただろう?必ず生きて、二人で帰ろう!!」

『炭治郎…うん、ありがとう!約束だよ!』

「ああ、約束だ!また七日間後に!」

千代は狐面をずらして強くうなづき、拳を合わせる。
約束の合図だ。

不安そうな匂いが薄まった。
大丈夫だ…必ず生きのびてみせる!!

最終選別→←髪



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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月28日 16時

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