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29話 ページ31











『わ、すごい、、』


「湯船に浸かりたい、なんてそんな簡単なお願い早く言ってくれたらやってあげましたよ。」




私の話を聞いてすぐに、私連れていつもシャワーを浴びる場所とは違うところに向かったセンラさん。そこはグレーのタイル貼りの空間に、ぽつんと猫足の白いバスタブがあるだけのバスルームで。

本当にバスタブとシャワーヘッドしかない簡易的な空間だが、外国の映画のようで少しだけ感動した。


…でも、こんな部屋あったっけ。

すると私の考えを読んだかのようにセンラさんは、またニコリと笑って、
「僕達、人間じゃないんでね。色々出来るんですよ。」と言った。


(人間じゃ、ない。)













「そういえば、坂田に随分とえぐいことされてましたけど、」

『…っ、なんで、それ』


彼に出てもらって、早くお風呂に入ろうそう思っていた時、急に彼は私に近づきながらこう言った。

どうして、あの場にいて見ていたかのような口ぶりで話すのか。どうして、どうしてと急に怖くなって
どんどんその距離が縮まっていくのも、とても怖く感じて、私はジリジリと後ろへさがる。




「服破かれちゃって、えっちぃな格好で、心臓近くまで牙突き立てられて?」

「…ほんま、可愛かったなぁあれ。」


『見てた、んですか?』




「うーん?まぁそうなるなぁ。
もうあんなん見ちゃったら、きついんよねぇセンラも。」






あんなところを、誰かに見られていたなんて。
それに、泣き叫びながら助けを求めた私を、ただ見ていたなんて。

分かってる。彼らはそういうモノだって、もうわかりきってる。だけど、そんなの、あまりにも、


(…残酷、すぎる。)






どうして、そう問いかけようとした時、
急に彼は私の腰に手を回し、がっちりと動けないように抱いた。

相変わらず、綺麗な顔で、あの貼り付けた不気味な笑顔。







「センラとも、えぐーいことしましょう?」











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なすび(プロフ) - いっっったそっ!と思いながらもウッヒョぉーなんて言いながら読ませてもらってます更新頑張って下さい! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5a02bd7bfb (このIDを非表示/違反報告)
わか - うっ...。自分がこんな立場にいたら絶望するけどうしさせだからいいんだ...。語彙力ありまくりですよ...。ありよりのありですよ..。これからの展開が楽しみです..(瀕死)。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 桜さん» ああ、勿体ないぐらいのコメントありがとうございます!感情については頑張っているところでもあるのでそこに触れて頂けると本当に嬉しくて、、更新頑張れます!!笑 嬉しいお言葉ありがとうございます!! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵な作品ですね…!センラさんの反比例する感情の書かれ方とか坂田さんの純粋さに隠れた狂気も、主人公の絶望の中で希望を捨てきれない複雑な心情も読んでいて引き込まれます…更新頑張ってください!楽しみにしております! (2018年12月18日 20時) (レス) id: ee303c023d (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!どんな形でもバッドエンドにはしないので、これからもよろしくお願いします!! (2018年12月1日 22時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年10月7日 0時

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