22話 ページ23
.
このまま、こうしていれば、私はまたあの苦痛を味うことになる。...あのすーっと意識が遠ざかっていく、あの血液が減っていって気持ち悪い、あの感覚。
(逃げるなら、今しか...)
幸いというべきか、私を拘束する鎖は今はその機能を果たしていないし、目の前の彼はなにやら別のことを考えているようだ。
それが意味するのは、今がチャンスということ。
そう思ったら、私の体はすぐに動いていた。
力が入らない体に必死に力を入れて、さかたんを押し退け部屋から出る。
「っ、A、!!」
後ろから彼の焦ったような声が聞こえたが、そんな声はもうどうでもよかった。
長い廊下を必死で走って、階段を転びそうになりながら降りては、また走る。それの繰り返し。
私はこの舘の構造なんて、知っているはずも無いのに何故か私の身体は無意識に、出口を知っているように動く。
「はぁっ、はぁっ、
あった、!!あの扉だ!!」
最初に連れてこられた時に見た扉が、20メートル先ぐらいにあった。
あそこから出れば、、私は、、
───自由に、なれる。
.
.
「追いかけっこは、終わりやでA。」
.
あとすこし、腕を伸ばせば届く距離だった、
そうしたら、外に出れた。
自由に、なれた。
それなのに、気味が悪いほど優しく私を後ろから抱きしめているのは、さっき巻いたはずの、彼。
「残念やったなぁ、もう少しで俺から逃げれたのになぁ。」
「ほんま、可哀想な子。」
.
.
更新出来ず、すみません!!
テストがようやく終わりましたので、また少しづつ更新していきます!!
そして作者、センラさんのワンマンに行ってきました。死ぬほどカッコよくて、可愛くて、幸せでした。1週間も経つのにまったく余韻から抜け出せません。
387人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なすび(プロフ) - いっっったそっ!と思いながらもウッヒョぉーなんて言いながら読ませてもらってます更新頑張って下さい! (2020年7月20日 1時) (レス) id: 5a02bd7bfb (このIDを非表示/違反報告)
わか - うっ...。自分がこんな立場にいたら絶望するけどうしさせだからいいんだ...。語彙力ありまくりですよ...。ありよりのありですよ..。これからの展開が楽しみです..(瀕死)。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 桜さん» ああ、勿体ないぐらいのコメントありがとうございます!感情については頑張っているところでもあるのでそこに触れて頂けると本当に嬉しくて、、更新頑張れます!!笑 嬉しいお言葉ありがとうございます!! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 素敵な作品ですね…!センラさんの反比例する感情の書かれ方とか坂田さんの純粋さに隠れた狂気も、主人公の絶望の中で希望を捨てきれない複雑な心情も読んでいて引き込まれます…更新頑張ってください!楽しみにしております! (2018年12月18日 20時) (レス) id: ee303c023d (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!どんな形でもバッドエンドにはしないので、これからもよろしくお願いします!! (2018年12月1日 22時) (レス) id: d01fc0ec58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年10月7日 0時