検索窓
今日:40 hit、昨日:5 hit、合計:125,239 hit

11 ページ11

藤ヶ谷SIDE









颯「でもひどいよ、裕太さん」



「なんで?」



颯「Aさん、あんなに頑張ってんのに
冷たいことばっか言ってるじゃないですか。」



「わかんないんだよ。」



颯「え?」



「嬉しいとか、そういう感情を相手に伝えることが。

…昔から、
そんな奴なんだよ。」






どんなことがあっても、本当の気持ちを表すのが下手っていうか。

わかんないけど、大学の頃から
寂しい奴なんだよな。。。









颯「それなのに裕太さんを、
ずっと好きでいるAさんって……」




「聞いてみればいいじゃん」




颯「教えてくれないんです。
話し逸らされるし、



…ずるいっすよ。」




「まずそこからだな、お前は(笑)」




颯「太輔さんは知ってるんですか?」




「フフ(笑)
さ、何食べようか。」




颯「太輔さんまで話逸らすじゃん………。」




「いいからいいから(笑)」

















前に、琴瀬が泣きながら
俺の家に押しかけてきた日があった。



どうしたの?って聞けば、
息を切らしながら頭を横に振るだけで、





その日はちょうど、契約の問題で
会社が珍しく荒れてて、


玉森のコンディションも最悪。







琴瀬の書いたデザインも気に入らないって
その紙をぐしゃぐしゃに丸めたっていうことまでは
俺は見てたから知ってた。



残業で残ってた琴瀬だったけど
きっとまたトラブって俺の家に来るのかなって考えてたら案の定。








目の前で泣いている姿見て
玉森と言い合いしたのかな?って思って聞いてみたけど
そんな理由じゃなかった。









「キスされました、」

って。







気付いたらされてたらしい。



そんなのでごまかしているのか、濁しているのかわからないけど
俺は多分そうじゃないと思ったんだけどね。


でもそう言ったって
琴瀬聞く耳持たなかったから。





どんな状況でそうなったかは分からない。
でも明らかに混乱しているのは確かで、







琴瀬も明日会社行きたくない、なんて
小学生みたいなこと言ってたかな。









俺も俺で、次の日はすごく気まずかった。


2人の事情を知っちゃったから、
琴瀬が社長室に呼ばれた時
何言われてるのか気になってしょうがなかったし。







でも俺より、
自分の思うようにコントロールできてなかったのは
あいつだったと思う。





だって滅多に泣かないもん。
それ相当のことだったんだろうな、って。









12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (132 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
568人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

涼風(プロフ) - nanaさん» nanaさん!いつもコメントありがとうございます(*^_^*)またまたツンツンです(笑)今後の展開に期待してくれれば嬉しいです♪ (2016年11月14日 20時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - こんにちは♪玉ちゃんツンツンですね〜!なんで颯君のこと聞いたんだろう……。新作なのにこれからの展開楽しみすぎです! (2016年11月6日 0時) (レス) id: 81df8c1a44 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:涼風 | 作成日時:2016年11月5日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。