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遠くから声がする方を見ると
この島唯一の警察官、大宮さんがいた。









優しいし、私たちの家庭に何があったのか
よく知ってる人。

お世話にもなって、とてもいい人なんだけど



大宮さんの同情が、
今の私たちにとっては凄く痛いものだった。









「大丈夫です!何もありません!」









りゅうが大きな声でそう言い、
行こうって先に歩いた。





























「りゅう、これ持ってって。」






「え〜、またハンバーグ?」









家に帰り、急いで夕飯の準備をした。




作り置きしておいたハンバーグを焼いて
お皿に盛りつけたものをりゅうに渡す。









「文句言わないでよ、お肉安かったんだもん。」






「唐揚げは?」






「今日は…やめとこ。」









日の当たる縁側に座り
ぼーっとしているお母さんに視線を移せば

りゅうも頷いてくれた。









「明日俺遅くなる。」




「そっか。
なんで?」





「課題終わってなくて居残り。」






「居残りなんてあるんだ。」






「…………まぁ、」









めんどくさそうに頭をポリポリ掻いた後に
冷蔵庫からお茶を出し一気に飲み干した。











「ご飯出来たから、お母さん呼んできて。」





「うん、」









もうすぐりゅうも高校生で
大事な時期なのに、


いつも協力的で、本当に無理ばっかさせてる。







我慢ばかりで、

やりたいこともできず。









「ごめんね。」




「え、」




「色々。辛いでしょ。」





「……俺は平気だよ。

こんな生活いやって思ってたら今頃俺
ここいないし。」









だから私も、今ここにいる。




こうしてりゅうが私、お母さんを支えてくれてるから
ここに。なんとか。









「ありがと。」









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涼風(プロフ) - 桜さん» そんな人たちの言動なんかで自分を失ったりしたくないですよね。ごめんなさい、こんな長文。桜さんが私なんかに話してくれたことが、不謹慎ですが嬉しくて。この小説も亀更新ではありますがゆっくりと更新していけたらなと思います。コメントありがとうございます! (2018年3月23日 0時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - 桜さん» そんな人たちがいなくなればいい、こういう風に和解しあえたら。なんて私の思いも少しだけ入っています。私の小説で少し気を悪くされていたらごめんなさい。でも人って悪いところもあれば良いところもあります。人それぞれなんですよ。 (2018年3月23日 0時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - 桜さん» 桜さん、いつもコメント本当に嬉しいです!そうなんですね…、経験しないと分からないことや気持ちってありますよね。クラスの人をそんな風に扱うなんてよっぽど小さい人間なんだと思います。 (2018年3月23日 0時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 涼風さんの小説読み返しててそういえばこの話は私に重なる所結構あるななんて…(笑)机は捨てられないですけどクラスからの扱い的には主人公ちゃんと変わらないかな…いきなりだしどうでもいいようなことをすみません(笑)まぁでもとにかく涼風さんの小説は大好きです! (2018年3月17日 12時) (レス) id: 54b9345723 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - サトリンさん» ドラマの話ですか?櫻子さんの足下には死体が埋まってるのことですかね。あれ私も見てます。面白いですよね〜。藤ヶ谷君が刺されたところには驚きました。リバースのほうばっか集中していたもので突然の展開についていけなかったです。 (2017年6月15日 23時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼風 | 作成日時:2017年5月30日 15時

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