真っ直ぐな魂ほど美しいものは無い ページ4
銀時side
最近、弾き語りとかいうものをしてる奴が、よく家の前で運指ぐちゃぐちゃで声も震わせながら歌ってやがる
正直、最初はなんなんだろうと思っていた。
だが、ある日玄関から出て、その様子を見てやろうと思った。いつも声しか聞いてなかったし、そんなやつの面でも拝んでやろうと思った。挙句、最後は笑いころげてやろうなんて最低なことを考え、俺は夕方になるのを待った
幸い、神楽は定春の散歩に行ってる時間帯のため、何をしても殴られることは無いだろう
あいつがいる時に指さして歌ってるやつ笑ったら、｢必死で頑張ってる人を笑うなんて最低ネ！見損なったアル｣なんて言われながら殴られる未来しか見えない。考えると恐ろしい。
？｢ーー♪｣
相変わらず声も震え、運指もぐちゃぐちゃだ
だが、俺はそいつの面を見るなり、こんな演奏でも、歌でも…すごく綺麗だと思ってしまった
そして、無意識にあいつに聞こえるくらいの声で、叫んでいた
銀時｢お前の歌声、綺麗だな｣
女は驚いた顔をし、涙を溜めてにこりと微笑み、お辞儀をした。
今にも泣きそうな声で、｢ありがとうございます｣と言って、ギターをしまい、再びお辞儀をして帰って行った
我に帰ってみると、全然あいつの声なんて震えて、歌にもなってない。
だが、あいつの声には人の心を動かせる、そんな歌声だった。
芯があり、声は震えているが、魂が真っ直ぐな歌声。
きっと、テレビの歌手達が歌うような音程正確な歌声より、あの女の歌声の方が綺麗だと思ったのは、そんな魂の篭もった歌声だったからなのだろう。
俺はそれから毎日彼女の歌を聞き続け、いつしか彼女は江戸 歌舞伎町では有名な歌い手になっていた
芸能事務所のスカウトも全て断わり、己が道を行く彼女の瞳は、とても真っ直ぐで、何かを覚悟して居るような目だった
いちご牛乳とプリンとジャンプと→←初めは安定をつかみ取らないといつまでたっても育たない
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作者名：凛月 | 作成日時：2019年6月28日 1時
