同業者メンバーの愛が重すぎる!!【wrwrd】 (ページ16)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:30,450 hit

15.0_ヤル気ページ16

そっぽを向いたままのグルッペンの表情は見えない。けど、何となく意固地になってるだけのように思えた。

　ジッと見詰めるが、その背は動かない。

「トントンが言ってた。以前、グルッペンが参加した魔法戦争は本当に凄かったって。個々の技量もそうだけど、見事な連携、完璧な作戦」

「忘れたな」

「それもグルッペンが立てた作戦だったんでしょ？」

　鬱達を見遣る。

「…若干手抜き感は否めないけど、何でも屋のプレイには光るモノが有ったわ」

「確かにこちらへ引っ越す前に一試合しましたが、こちらの思い通りにはさせないプレイをしていましたよね。かなり厄介だったと記憶してます」

「そうなのか？ま、トントン達がそう言うなら、そうなんだろうな」

　ピクッと反応した。

「なんで心強いメンバーが揃ったのに、勝てる作戦を立てようともしないん？

グルッペンの頭脳ならきっと、素人の僕なんかは想像も出来ないようなプレイを魅せてくれるよなぁ？」

　違うんかと強く問えば、はぁぁぁと大きな溜息が耳に届く。

テーブルに突っ伏したグルッペンは、解ったゾと小さく呟いた。

「今から選抜メンバーのデータを俺の部屋に持ってきてくれ」

「急に何すか、グルッペンさん…」

「少しやる気が出た。

この俺が綿密な作戦を練ってやるって言ってるんだ」

「「「！！」」」

「その為に身体能力から得意魔法、特技、経験したスポーツ、詳細な情報を俺に提示してくれ。それを踏まえた上で、ポジションと作戦をいくつか考える」

　僕達が驚く中、オスマンの瞳にはぶわりと涙が溢れる。そんな一同を見回して、グルッペンは不敵に笑った。

「精々有難く思え」